お正月を迎えるといつも新米教師のときに受けたこんな質問を懐かしく思い出す。「初日はどう読みますか」である。「初雪」が「はつゆき」であり、「初恋」 が「はつこい」と習った学習者の多くは「初日」は「はつにち」と読みたくなってしまうのである。うーん、確かにそういわれてみるとややこしい。「初日」は 「しょにち」と教えなければならない。
每逢新年,我就会想起当我还是新人老师的时候被问到的问题。「初日はどう読みますか」(初日这个词怎么读)。在学了「初雪」读作「はつゆき」,「初恋」读作「はつこい」之后,很多学习者会误认为「初日」读作「はつにち」。这确实有点复杂,但是我必须要明确告诉学生「初日」读作「しょにち」。
しかしこの「初日」は確かに複雑である。意味もまるで違うもうひとつ「はつひ」という読み方がある。でも我々日本人はこの違いは文脈から容易に判断出来る ので問題はないのだが 、でも「初日はどうでしたか」これだけの文からでは判断は確かに難しい。まして日本語学習者にしてみればとても大変である。
但是这个「初日」确实比较复杂。它还有一个读法是「はつひ」(元旦早晨的太阳),两者意思完全不一样。我们日本人从文脉中能够很简单地判断出来,但是对于学习日语的外国人来说就不是那么简单了。但是光从「初日はどうでしたか」这样的句子来看是很难判断的。更何况是对于日语学习者来说了,这很复杂的。
この「初」という漢字に関して英語が母語である上級者からこんな冗談を言われたことがある。「first snow」は「初雪」ですし、「first love」 は「初恋」、すると「first floor」は「初階」ですよね である。日本語教師としてこんなこと考えたこともないが、この「初」に関しては確かに日本語は複雑である。英語は全 て「first」でいいのだからとても簡単。そして「first train」は「初電」ではなく「始発」になってしまうのだから学習者の驚きもうなずける。
关于「初」这个汉字,我记得曾经有一位以英语为母语的日语高级学习者跟我说过这样的玩笑。因为「first snow」是「初雪」,「first love」是「初恋」,于是「first floor」就是「初階」了。作为日语老师从没这样想过,但是在日语里关于「初」的解释却是很复杂。英语全都可以用「first」,很简单。另外 「first train」不翻译为「初電」,而是「始発」,这样我便可以理解学生为什么惊讶了。
この「初」という漢字は表題のごとく「始」と絡むと我々にとってもその使い分けはなかなか厄介である。「年初め」なのか「年始め」なのか、「仕事初め」なのか 仕事始め なのか、迷ってしまう。確かに何となく違いは感じるのだが 。
如标题所示将「初」和「始」联系在一起,这对我们来说很难区分使用。是「年初め」还是「年始め」?是「仕事初め」还是 仕事始め ?这充满疑惑。虽然隐隐约约能感受到两者不一样,但是却很难区分。
辞書によると「初め」は時間、時期が早いときのことを表す副詞的用法に、「始め」は物事が新しく行なわれることを表す動詞的用法に、とある。何と なく分かったような、分からないような説明である。確かに動詞として使う場合は間違いなく「始」を使って「仕事を始める」である。するとやはり「仕事はじ め」や「御用はじめ」は「仕事始め」、「御用始め」のほうがいいのであろう。一方「年のはじめ」や「月はじめ」は時間的なことなので「初」を使って「年の初め」、「月初め」がふさわしい。また「初めての経験」や「初めて経験する」なども動詞的用法ではないので一応決まりとして「初」を使わなくてはならない のである。本当にややこしい 。
根据字典的解释,「初め」是副词性的用法,用来表示时间,时期早;「始め」是动词性的用法,表示开始做某事,这真是一种让人似懂非懂的解释啊。不过在作为动词使用的情况下,毫无疑问地使用「始」,比如「仕事を始める」。这样的话,「仕事はじめ」或「御用はじめ」写作「仕事始め」、「御用始め」可能恰当些吧。另一方面,因为「年のはじめ」或「月はじめ」是表示时间上的东西,所以使用「初」,写作「年の初め」、「月初め」恰当些。另外「初めての経験」或者「初めて経験する」等不是动词性的用法,但是作为约定俗成的东西,只能用是「初」。这真的有点复杂哦。
しかしまだまだややこしいのである。例えば「書き初め」である。もし「かきはじめ」であれば「書き始め」と書かなければならない。「初」にはもう ひとつ「そめ」という読み方があり、これが正に「かきぞめ」である。「お食い初め」も「おくいぞめ」であり、お祝いなどの儀式を表す一つの言葉として使っ ている。一例として「赤ちゃんが初めて歩いた」であり、「赤ちゃんの歩き始めは注意しなければ」である。そして「歩き初め」は「あるきぞめ」で赤ちゃんが 初めて歩き出したときのお祝いとなる。実にややこしい。英語はすべて「First Step」でいいのだから 。では、ことわざの「はじめちょろちょろ中ぱっぱ 」の「はじめ」はどう書けばいいのか 。
但是还有更复杂的用法。例如「書き初め」这个词。如果是读作「かきはじめ」的话,肯定是写作「書き始め」。但是「初」还有另外一种读法,叫做「そめ」。所以正确应读作「かきぞめ」(新春开笔)。另外「お食い初め」也读作「おくいぞめ」,是作为表示祝贺等仪式的一个词语来使用。举个例子,「赤ちゃんが初めて歩い た」(婴儿第一次走路),「赤ちゃんの歩き始めは注意しなければ」(需要注意开始走路的婴儿)。将「歩き初め」读作「あるきぞめ」的话,就表示在婴儿第一 次走路时的庆祝仪式了。确实很复杂啊。英语中全都用「First Step」就可以了。那么,谚语「はじめちょろちょろ中ぱっぱ 」(先慢火,后急火,孩子哭了也不开盖 注:做好米饭的诀窍)中的「はじめ」应该怎么写呢?
こんなことあまり気にする必要はないのでは 。昔の文豪は「始めて~した」などと堂々と書いていたようだし、「はじめまして」や「先生はじめ皆さまによろしく」など全てひらがなで書けばいいのだから 。
对于这些问题是不是没有必要太纠结呢。以前的文豪大笔一挥写道「始めて~した」,像「はじめまして」或「先生はじめ皆さまによろしく」这些全部用平假名写不就可以了。