人に贈り物を渡すとき、どう言いますか?
基礎編
パート先で。
同僚:じゃあ時間だからお先に。
お先に失礼しまーす。
店長:おつかれ!
アンナ:あ、佐藤さん。あの、これ。
同僚:なあに?
アンナ:ええ、連休にちょっと遊びに行ったので。お土産です。
同僚:あら、ありがとう。開けていい?わあ、かわいい!
アンナ:気に入ってもらえればうれしいです。
同僚:うん、ありがとう。
重要表現
気に入ってもらえればうれしいです。
親しい人に贈り物を渡すときに言う表現で、贈り物をした相手がその贈り物を喜んでくれることを期待した表現です。{「気に入って」(「気に入る」のテ形)+「もらえれ」(恩恵を受けることを表す「もらう」の可能形の仮定形)+「ば」(条件を表す)+「うれしい」}で、「ば」の前の文が成立すると、「ば」の後の文も成立することを表します。
ポイント----目上の人や関係の遠い人に、食べ物の送り物をするときの
表現を覚えましょう。
応用編
茶道の先生宅の玄関先で。
アンナ:ごめんください。
茶道の先生:はーい。
(玄関の戸を開ける)
茶道の先生:あら、アンナさん。
アンナ:こんにちは、先生。
茶道の先生:こんにちは。さわやかな陽気になりましたね。
アンナ:ええ、ほんとに。あの、これ。いつもお世話に
なってますので。
茶道の先生:あら、何?
アンナ:フィリピンのマンゴーを干したのです。国から送ってきたので。
お口に合えば幸(さいわ)いです。
茶道の先生:まあ、それはそれは。ごちそうさまです。
重要表現
お口に合えば幸いです。
目上の人や関係の遠い人に食べ物の贈り物を渡すとき、相手がおいしいと感じて喜ぶことを期待して、丁寧に渡す表現です。{「お」(相手への尊敬語)+「口に合え」(「口に合う」の仮定形)+「ば」(条件を表す)+「幸い」(「うれしい」の敬語表現)}で、「口に合う」はおいしいと感じることです。
コラム
「贈り物のタブー」
贈り物をする場合、いくつかのタブー、つまり、避けたほうがいいことがあります。まず、数ですが、一般的に偶数より奇数がよいとされています。ただし、「9」は奇数ですが、発音が「苦」と同じであるため避けます。偶数でも結婚祝では、ペアのコーヒーカップなど二人のために「2」つのものを贈ることがあります。また、8は漢字で「八」で、形が「末広がり」というめでたい形なのでよいとされます。10も1に通じるので良い数とされています。偶数で気をつけなければならないのは「4」です。読み方が「死」と同じであるため、避けます。
他に漢字が同音のために避けるものとして、「根」と「寝」があります。病気見舞いに鉢植えの花を持っていくのは「根つく」=「寝付く」といって避けます。
さらに、物から連想される意味で不適切だとされるタブーもあります。たとえば結婚祝に鏡のような「割れる」もの、刃物のような「切れる」ものは贈りません。ただし、刃物の生産地では「運を切り開く」ものとして幸運の贈り物とされていますから、そのようにカードに一言書けばよいかもしれません。また、新築祝には「火事」を連想させるもの、たとえばライターと灰皿のセットなどは贈りません。