次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。
日本間に付き物の設備に障子がある。紙一枚貼っただけの扉。この障子も不思議な存在だ。
障子は本来、ふすまのことであった。ふすま障子といい、布もしくは紙を貼り重ねたものであった。そして、今の障子は明かり障子というものである。明かり障子が一般化するのは、恐らく中世鎌倉の頃かと思われるが、平安後期の「江談抄」に早くも見えるので、そのころには考案されていたもののようである。室内の照明が十分でなかった時代の工夫で、外界と隔てながらも明かりを取り込む知恵であった。
それにしても紙一枚の扉とは珍しい。世界に類例はないのではあるまいか。木や金属ならわかるが、およそ最も破損しやすい紙を使って外界と隔てようというのだから、常識を逸脱していると思われても仕方あるまい。我々は子どもの頃、しばしば障子を破いて叱られるものである。子どものいる家は、どこでも障子紙につぎあてがしてあった。指に唾を付けてちょっと押せばすぐに破ける。それほどに脆弱な扉が障子なのである。
(「日本文化論序説」による)
問 この文章のまとめとして最も適当なものはどれか。
1. 障子は世界に類例のない日本独特のものである。
2. 紙一枚貼っただけの扉は、常識を逸脱している。
3. 扉はやはり木か金属で作ったもののほうがいい。
4. 障子は室内の照明が十分でなっかた時代ではともかく、今はもう必要ない。
答案:1
翻译:
日式房间必定会有拉门。拉门是糊了一层纸的门,它也是一个很奇妙的存在。
拉门原本是隔扇,也称作隔扇门,上面糊的是多层布或者纸。而现在的拉门则被称作亮式拉门。亮式拉门的推广,大概是在中世的镰仓时代,早在平安后期的《江谈抄》中对此就有所记载,亮式拉门似乎是在那时出现的。当时室内照明不足,所以,人们才设法在隔开外界的同时又采入光线。
尽管如此,仅有一层纸的门还是很少见的,可能是世界上绝无仅有的吧。要是用木材或金属还可以理解,使用最易破损的纸与外界隔开,若被认为缺乏常识也是无可奈何的。我们在孩提时代,经常因为弄破拉门而挨骂。有孩子的家里,拉门纸上都会打着补丁。手指上沾点唾沫一按就破了。拉门就是这么脆弱的门。