懐石料理の語源・由来
懐石料理の「懐石」は、禅宗の僧が一時的に空腹をしのぐために懐へ入れていた「温石(おんじゃく)」をいった。
温石とは、蛇紋岩や軽石などを火で焼き、布に包んだものである。
懐石が一時的に空腹をしのぐものであったことから、簡単な料理・質素な食事を意味するようになり、茶道では献立・食作法・食器などにも一定の決まりが定められるようになった。
「懐石」のみで「料理」の意味が含まれているため、「頭痛が痛い」「車に乗車する」などと同じく、「料理」を加えることは重言であるが、同じ発音の「会席料理」の影響により、現在では「懐石料理」が一般的に用いられている。
また、懐石は一汁三菜が一般的であるが、茶席に関係なく料理店でも供されるようになり、品数も増し趣向も凝らされるようになった。