ゴキブリの語源・由来
ゴキブリは、「御器噛り(ごきかぶり)」が転じた語。
御器とは食物を盛るための椀のことで、噛りは「かぶりつく」など「かじる」意味である。
ゴキブリは残飯だけでなく、椀までかじってしまうことから、このような命名がされた。
「ごきかぶり」から「ごきぶり」への変化は自然変化ではなく、誤記によるものである。
岩川友太郎氏の『生物学語彙』(1884年刊)で、誤って「ゴキブリ」の振り仮名が付けられ、松村松年の『日本昆虫学』(1898年刊)でも、先例を受けて「ゴキブリ」としたため、誤った名称が標準和名として定着した、とゴキブリ変化の誤記っぷりが、小西正泰の『虫の博物館誌』(1993年刊)で紹介されている。
ゴキブリを古くは、ゴミを意味する「芥(あくた)」から「芥虫(アクタムシ)」といった。
「角虫(つのむし)」とも呼ばれていたが、角は触覚を意味したのか、ゴキブリがカブト虫やクワガタ虫と混同されていたのか定かではない。