冷たいの語源・由来
冷たいは、「爪痛し(つめいたし)」が転じ、「つめたし」となり「つめたい」になった。
現代では、肉体の一部が触れた時に感じる温度の低さを形容する語が「冷たい」、体全体で感じる気温の低さを形容する語が「寒い」となるが、用例が見られるようになった平安時代には「寒さ」を形容した例の方が多い。
そこから、冷たいの語源となる「爪痛し」は、寒さから指先や耳など体の一部が痛く感じられることから生まれ、のちに温度が低い物に触れた時の冷ややかさを形容するようになったと考えられる。
冷たいは、物の温度の低さから、比喩的に人の態度や性格が冷淡であることもいうようになり、「つべたまし」という形容詞も派生した。
ただし、「つべたまし」には「冷淡である」「気味が悪い」といった、人に対する形容として用いられるのみで、「冷たい」が温度の低さの形容としては用いられていない。