時計の語源・由来
時計は当て字で、本来「とけい」は「土圭」と表記した。
「土圭」は、中国周代の方角や日影を測る磁針のことで、平安時代以前に日本に伝えられ、機械時計の無かった時代は、「日時計」の意味として「土圭」が用いられていた。
機械時計は14世紀にヨーロッパで作られ、日本に初めて伝来したのは、1551年にフランシスコ・ザビエルが大内義隆に献上したものとされる。
中国では、機械時計には「土圭」ではなく「自鳴鐘」と表記し、日本でも「自鳴鐘」が用いられた例はあるが、漢字表記は「時計(ときはかり)」が多く用いられていた。
漢語が重視されていた幕末から明治初期にかけては、「時計」が字音的表記でないため、「時器」や「土計」「時辰儀」「時辰表」「斗景」「斗鶏」などが使用されたこともあった。
これらの漢字表記にも「とけい」の振り仮名がされており、機械時計と日時計の区別なく、「土圭」を継いだ「とけい」と呼ばれていたことが解かる。
やがて「ときはかり」の漢字「時計」が再び使用されるようになり、「とけい」に「時計」を当てることが一般的な表記となった。