納豆の語源・由来
納豆の語源は、僧侶が寺院で出納事務を行う「納所(なっしょ)」で作られ、豆を桶や壷に納めて貯蔵したため、「納豆」と呼ばれるようになったとする説が有力とされている。
納豆の「なっ」は呉音「なふ」が転じた「なっ」で、納豆の「とう」は漢音「とう」からの和製漢語である。
中国では「鼓(し)」と呼ばれ、日本には奈良時代に寺院に伝わり、「和名抄(倭名類聚鈔)」には「鼓(くき)」と記されている。
この「鼓」は「糸引き納豆」とは異なり、現代では「寺納豆」や「浜納豆」などと呼ばれる塩辛く乾燥した納豆であった。
糸引き納豆の起源も諸説あり、弥生時代に作られた説、聖徳太子、光巌法皇、源義家などが作った、もしくは広めたとする説など様々である。
納豆の文字が出てくる最初の文献は、1051年の「新猿楽記」で、「塩辛納豆」と表記されていることから、この当時すでに「糸引き納豆」が存在し、区別されたとも考えられている。
大豆を腐らせ作られた食品を「豆腐」と呼び、四角い容器に納めて作られた食品を「納豆」と呼んでいたが、中国から日本に伝わった時、日本人が「納豆」と「豆腐」を呼び間違えたとする説もあるが、ただの俗説である。
1981年、関西での納豆消費拡大のため、関西納豆工業協同組合が7月10日の語呂合わせで「納豆の日」を作り、1992年には全国納豆工業協同組合連合会があらためて「納豆の日」を制定し、全国的に7月10日は「納豆の日」となった。