ねずみの語源・由来
ねずみは、「あなずみ(穴住み・穴棲み)」の音変化や「ねずみ(根住み・根棲み)」の意味など、住む場所を語源とする説が多いが、ねずみの棲みかは穴や根元だけではないため考え難い。
「根之堅州国(黄泉の国のこと)」を訪れた大国主命が危ういところをねずみに助けてもらったという話が『古事記』にあり、上代ではねずみが「根棲み」と考えられていたとは考慮すべきであるが、ここでの「根」は「根元」ではなく「陰所」を表していることから、棲みかを語源とするならば、「ね(隠れた所)」+「ずみ(棲み)」とすべきであろう。
ネズミの語源で有力な説は「ぬすみ(盗み)」の転で、ねずみは人間の周囲にいて食糧を盗む生き物であり、古くは倉庫に鼠返しを立てて侵入を防いでいたことからも、「ぬすみ」が転じて「ねずみ」になったと考えられる。
盗みに関連する説では、ネズミの多くが夜行性で人間が寝ている間に食料を盗むことから、「ねぬすみ(寝盗み)」とする説もある。
また、ねずみの語源が「盗み」であることを証明するものではないが、英語の「mouse」も「盗み」に由来する。