妾の語源・由来
妾は、目を掛けて世話をすることから出た語で、本来は「目掛け」。
「めかけ」は中世末期から見られる語で、同じ時期には、手を掛けて愛することから「てかけ」という語もあった。
1603年の『日葡辞書』には、「めかけ」や「てかけ」の他に、「目見せ(めみせ)」という語も見られる。
漢字の「妾」は、「立」と「女」ではなく、「辛」と「女」が合わさった字。
「辛」は捕虜や罪人に入れ墨のしるしをつけることを示し、「妾」は入れ墨をした女奴隷の意味する漢字である。
そこから、女性を卑しめていう言葉、また身近に接して世話をする女性をさす言葉となり、「めかけ」の当て字として「妾」が用いられるようになった。
また、「妾」は「わらわ(「童」と同源)」とも読み、女性が自らを謙遜していう語として、近世の武家の女性が用いた。