日本语能力测试一级読解の練習
1级読解の練習(27)
例えばある薬がある病気に効く、というような一番簡単そうに見える事柄でも、考えてみるとなかなか難しい問題である。ある人が、薬を飲んだ時に、病気が治ったら、その薬は効いた、とそう簡単に言ってしまうことはできない。( ① )、のもなくても治ったかもしれないからである。(中略)
それでは、②1人の熱のある病人が、ある薬を飲んだら熱が下がった、次の日に飲まなかったら熱が出た、また次の日飲んだら下がった、というふうに、何回も繰り返してみて、その度ごとに熱が下がったが、その薬が効いたといっていいであろうといわれるかもしれない。しかし厳密に言えば、病人の身体は、1日ごとに変化しているので、同じ条件で何回も繰り返したのではない。それで③再現可能の原則は、近似的にしか成り立っていないのである。
しかしこういう場合に、科学はそれを取り扱う方法を持っている。それは統計という方法である。できるだけ(④a)を同じくして、あるいは同じような条件のものを選んで、それでも決められない条件の方は、そのままにしておいて、その代わり(④b)について、測定をしてみる。そしてその結果を、全体的に眺めて、全体としての(④c)を見るというやり方である。これが統計的方法と言われているものである。1人の病人が、何回も繰り返して薬を飲んで見る場合、その結果は、統計的に調べるより仕方がない。1回ごとに少しづつ条件が違っているのであるから。
ところで、統計によって得られる結果は、資料の数が多いほど確からしさが増すのであって、数例の結果などから出した統計的な結論は、ほとんど意味がない。しかし一人の病人に、数千回繰り返して、薬を飲ませてみることはできない。
それではこの問題を、実際にはどういうふうに取り扱っているかというと、それは同じような病気にかかっている大勢の人に飲ませてみるのである。大勢の人に飲ませてみて、100人のうち99人までの人が治ったとすれば、これは確かに効いたといわざるを得ないし、また現に薬が効くというのは、⑤そういうことなのである。これは1人の人間が何度も繰り返す代わりに、大勢の人間を1度に使ったので、やはり統計的な取り扱い方である。少しずつ違った条件にあるたくさんの例について行った実験の結果を、少しずつ違う条件にある1人の人について繰り返した場合と、同等に扱っているわけであるが、これは1つの仮定なのである。これは仮定ではあるが、この仮定がなければ、統計の学問は成り立たないのであって、事実その仮定の上に組み立てた統計学が実際に役に立っているのである。実際に全く同じ条件ということはないのであるから、広い意味で言えば、科学は統計の学問とも言えるのである。
問1 ( ① )にはどんな言葉が入るか。
1 それで 2 というのは 3 ところが 4 従って
問2 「②1人の熱のある病人」の例で、薬が効いたと言い切れないのはなぜか。
1 1人だけの例では環境に左右されるので、条件を限定できないから
2 もし効果が長く続く薬だったら、飲まない場合を設定するのが困難だから
3 熱のある状態と下がった状態を厳密に区別することはできないから
4 体質も病状も一定で、条件が同じでなければ効果がわからないから
問3 科学の「③再現可能」とはどんな意味か。
1 すぐ繰り返して実行すれば、だれでも同様の議論が導けるということ
2 起こったことについて正確に記したら、見えないものでも良いということ
3 同じ条件で同様に行ったら、再び同じ結果が出るだろうということ
4 自然界のある事象が、どのような手段を用いても同じように出現すること
問4 (④a)-(④c)に入る正しい言葉の組み合わせを選びなさい。
1 a 対象 b 複数の場合 c 規則
2 a 対象 b 1つの定理 c まとまり
3 a 条件 b 多数の資料 c 傾向
4 a 条件 b 限られた設定 c 変化
問5 「⑤そういうこと」とは何か。
1 確かに薬が効いたといわざるを得ない場面
2 同じ病気の人100人が薬を飲んで、99人が治ったという結果
3 統計の方法を、実際にどういうふうに取り扱うかという問題
4 1人の人間が何度も繰り返して同じことをするという実験
問6 薬の実験で、「1人の人間に何回も飲ませる」のと同等だと仮定したことは何か。
1 少しずつ違った条件にある大勢の人に1回飲ませる
2 ほとんど同じ症状のある大勢の人に多量に飲ませる
3 全く同じ条件にそろえた大勢の人に繰り返し飲ませる
4 できるだけ大勢の人に時間を置いて少しずつ飲ませる
問7 この文章から、科学が取り扱うべき問題でないものは次のどれか。
1 彗星の軌道 2 生物の老化
3 商品の生産量と価格 4 人生論
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