「かわいい」の語源は「かほ・はゆし(顔・映ゆし)」とされており、本来は「(相手の身分が高いため)恥ずかしくて顔向けしにくい」という意味だったという。これが短縮されて「かはゆし」となり、さらに「かわゆい」「かわいい」と変化。現代日本語では「愛らしい」という意味になっている。
この「かわいい」の当て字として用いられているのが中国語の「可愛(ke'ai)」で、語形も近く、同様の意味で中国でも使用されている。ところが最近、日本語の「かわいい」を音訳した「カ哇依(カ哇伊)」という言葉が中国へ逆輸入され、「和製中国語」として一般的に認知されつつあるという。漫画やアニメなどの日本産サブカルチャーを好む若い女性たちがその発信源とされている。ちなみに「チョーカワイイ」は、そのまま「超カ哇依」と訳されているようだ。
明治時代以降、中国に定着した「和製中国語」の数は1000語を超えるといわれているが、一過性のブームで終わらず、「かわいい」もその仲間入りを果たすのだろうか?中国三大都市(北京・上海・広州)で現在の状況をアンケート調査してみた。
その結果、上海で半数以上の人が「(かわいいを)使ったことがある」と回答。北京や広州でも3割以上の人々が使用した経験を持つことが明らかとなった。「聞いたことはあるが、使ったことはない」を合わせると、認知率は各都市とも8割以上に上る計算となり、いずれも前回調査時から上昇している。日本文化の浸透に従い、今後また新たな「和製中国語」も生まれてくるのかもしれない。(グラフは本調査結果を基に作成)。
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