ことの是非はひとまずおいて「無菌化」という例えに、なるほどと思った。名作「ハックルベリー・フィンの冒険」の黒人への差別語を、無難な語に換えた新版が米国で出版され、論争を呼んでいると国際面の記事が伝えていた
事由的是非暂且不论,对于“无菌化”的比喻倒也令人称道。刊登在国际版面上的一则报道说,将名著“哈克贝利•费恩历险记(The Adventures of Huckleberry Finn)”中对于黑人所使用的蔑视语改换成一般用语的新版本已在美国出版,并因此而引发了一场争论。
▼19世紀に発表されたマーク・トウェインの代表作である。今は禁句の「ニガー」という言葉が200カ所以上使われている。これを「スレーブ(奴隷)」とした。原文は黒人生徒を傷つける恐れが指摘され、学校の教材から避けられることが少なくなかったそうだ
▼这是马克•吐恩(Mark Twain)发表于19世纪的一部代表作。如今成为了禁用句的“黑鬼(nigger)”一词书中有200多处使用。现将这一词改成了“slave(奴隶)”。报道指出原文恐怕有伤害黑人学生的可能,因此据说将其排除在学校用教材之外的情况并不少见。
▼言葉のために名作が読まれないのは残念、というのが新版の趣旨らしい。片や原文尊重派は「時代のリアリティーや風刺の意図が薄れる」などと反論する。「無菌化」とはニューヨーク・タイムズ紙の新版批判である
▼因为语言上的问题使得名著不能被广泛阅读实属遗憾,这是为何发行新版本的宗旨。而另一方面的尊重原文派则反驳道:“这将淡化(作者刻画的)时代的实际特征以及讽刺的意图”。所谓“无菌化”这是纽约时报对于新版本的批评。
▼あらためて日本語訳を開くと、差別語に限らず、雑菌の森を行くような奔放な言葉は面白さの一つだ。ちなみに岩波文庫版の訳者西田実氏は、冒頭に丁寧な「はしがき」を載せ、ニガーをあえて「黒んぼ」と訳した理由などを説明している
▼重新翻开日译版本便可发现,不仅是蔑视语,还有很多奔放的语言比比皆是,简直就像行走在杂菌泛滥的森林里一般,然而,这正是它的趣味所在。岩波文库版的译者西田实先生还顺便在开头处撰写了周到的“前言”,并说明了为何将nigger斗胆地译成“黑家伙”的理由。
▼もともと「ハック」は発表当時から批判があった。たとえば少女小説「若草物語」の作者オルコットは、あまりに粗野で無教養だと販売禁止を働きかけたという。実際に一部で追放の憂き目に遭っている
▼从发表的当时开始“hack”一词便遭到了批评。例如,据说少女小说“小妇人(Little Women)”的作者奥尔科特(Louisa May Alcott)就认为这太过粗暴太没教养,并且游说禁止(此书的)销售。实际上只是一部分遭受了谴责的经历。
▼どちらが是で非か。おそらく「正解」というものはなく、侃々諤々(かんかんがくがく)にこそ意義があるのだろう。扱いの難しい言葉は多いが、事なかれ主義で安易にタブーを生む社会は、優しげに見えてその実危うい。無論米国だけの話ではなく。
▼孰是孰非,恐怕并没有一个“标准答案”,或许广泛深入的议论正是其意义所在吧。难以把握的词汇其实很多,可是采取多一事不如少一是主义,很容易造成一种禁忌。这样的社会看上去一团和气而实际上是很危险的。当然这并不仅仅是美国一家的情况。
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