で 用法の広い格助詞で、様々な副次補語を形作ります。
①動作の場所
学校で勉強する 道で遊ぶ ベッドで寝る
②道具・手段
ペンで書く 車で通う 日本語で話す
③範囲・範囲の終わり
世界で最初だ この中で選ぶ
3時間でできる 3時で締め切る
④基準
規則で決める 日本円で千円
⑤原因・根拠
風邪で休む 声でわかる
⑥様子
浮かない顔で はだしで
⑦主体
私のほうでやっておきます
⑧材料
木でいすを作る
と
①相互関係(→ 2.6、3.6.3、6.8)
彼と会う 話す 約束する 結婚する 等しい 同じだ
②仲間
彼と行く 子供と風呂に入る
「相互関係」の方は名詞文・形容詞文・動詞文のすべてに使われます。「仲間」は
動詞文だけです。
並列助詞の「と」との違いに注意が必要です。(→「5.名詞・名詞句」)
から
基本的には何かが発するところです。
①出発点・開始点
外国から来る 部屋から出る 最初からやり直す
そこから動かす 棚から戻す
1時から始める
②相手
先輩から買う 店員から受け取る
③恩人 「に」でも言える
親からもらう 知人から借りる
④原料
牛乳からチーズを作る
⑤根拠
このことからわかる/明らかだ
⑥経由点
窓から庭に出る
⑦主体
妹から送ってきた
⑧受身の「元の文」の動作の主体
先生から誉められた(→「25.1 受身」)
まで
「から」との組み合わせで、ある範囲の終わりを示します。場所と時の場合は
「終点・終了点」と呼んでおきました。
範囲
所 東京から京都まで
時 2時から3時まで 朝から晩まで(一日中)
その他 大金持ちから貧乏人まで(みんな)
素粒子から銀河系まで (すべてのもの)
副助詞の「まで」は別です。(→「18.副助詞」)
より
よく使われるのは比較構文です。その場合、他の格助詞とは性質が違うところが
あります。くわしくは「17.比較構文」で述べます。
①比較の基準
漢字はかなより難しい
②始点(書き言葉)
これより始める 「文法辞典」より
格助詞の重なり
格助詞は基本的には相互に重ならないのですが、何ごとにも例外はあります。
範囲の「NからNまで」は「が/を/と」の前に来ることができます。
ここからが難しいのです。
5ページから8ページまでをコピ-しました。
この生地の長さは、テーブルの端から端までとちょうど合います。
ただし、次の「と」は並列助詞の「と」です。
AからBまでと、CからDまでは同じ長さです。
また、次の「と」は、連用修飾語を作るための「と」(「ゆっくりと歩く」の「と」と同じ)でしょう。
西へ西へと歩いていった。
格助詞の「と」は「が」の前に使われることがあります。何らかの動詞が暗示されます。
決勝戦は彼とがいちばん多かった。(彼と戦う/試合をする)
比較の「より」は、「が/を」以外の格助詞に接続することがあります。
(→「17.比較構文」)
家からより学校からのほうが近いです。
なお、「の」はふつう格助詞とされますが、この本では名詞と共に補語となるものを
格助詞としたので、ここでは扱いません。分類上、名前を付けるとすれば「連体助詞」
でしょうか。「が」「を」「に」以外の格助詞と自由に接続できる点でも他の格助詞と
違っています。
Nへの/での/からの/までの/との
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