あなたのお名前は。あたくしは、芝片門前に住まいおりました…! つづく「神谷幸右衛門」という人物名が口から出てこない。「まことに申しわけございません。勉強し直してまいります」
你的名字叫什么?鄙人是住在芝片門前的……!紧接着的是“神谷幸右衛門”这个人名,但他却说不出来。“实在不好意思,我重新学习之后再来。”
国立劇場小劇場で落語「大仏餅(もち)」を口演中に故?桂文楽は絶句し、深々と頭をさげて高座を降りた。36年前、昭和の名人とうたわれた人は78歳である。以後、亡くなるまで噺(はなし)を聞かせることはなかった
已故落語演员桂文楽在国立剧场小剧团表演落语《大佛饼》时忘了词儿,他深深地鞠了个躬,走下了演坛。36年前,这位被誉为昭和名人的表演家78岁。之后,一直到去世前,再也没有听到过他的表演。
译注:落语:日本曲艺之一,类似中国的“单口相声”。
傍目(はため)には治癒可能と映る小さな傷にも、致命傷の自己診断を下す。芸道に精進してきた人の引き際は今も昔も潔い。「こんな調子で恥をかきたくない」。三遊亭円楽さん(74)が一昨日、引退を表明した
在旁观者看来是可以抹去的小小瑕疵,他自己却认为是致命污点。古往今来,对曲艺之道精益求精的艺人,他们的引退都是毫不犹豫的。“不想因为这种不良状态而蒙羞”。 三遊亭円楽(74岁)前天表示了引退之意。
国立演芸場で「芝浜」の一席を終えた記者会見である。脳梗塞(こうそく)で倒れた影響だろう。舌の回らぬ個所のあったことを自ら酷評し、「まだ大丈夫と言ってくださる客もいるだろうが、甘えは私自身が許さない」。淡々と胸中を語った
那是在国立戏剧院演完《芝浜》一场后会见记者时表示的。大概是受之前的脳梗塞病倒的影响吧,他对自己吹毛求疵,说自己的舌头有不灵活之处,并道出了淡泊的心志:“也许有的观众会对我说'你还可以继续表演',但我决不容许姑息自己。”
とりわけ口跡に艶(つや)と華があった人だけに、病後の自分が歯がゆくてならないのだろう。幾度となく笑っては泣かされた絶品の「藪(やぶ)入り」も寄席ではもう聴くことができない
尤其是音色圆润、优美的人,病后更会因为力不从心而着急心烦吧。再也听不见艺坛上他那多少次让观众又哭又笑的杰作《入灌木》了。
客の前で絶句する恐るべき日に備え、文楽は詫(わ)び口上の稽古(けいこ)をしていたという。ある人は老いを相手に、ある人は病を相手に白刃で斬(き)り結ぶ。高座とは「修羅場」の異名であるらしい。
为防止有一天恐怕要在观众面前忘词儿,据说,桂文楽事先练习了致歉词。曲艺场上,有人以老为敌,有人以病为魔,时刻同它们白刃相交。所谓演坛,似乎就是“战场”的代名词啊。