詩人の杉山平一さんに「三月」という詩がある。「走ってくる春の聖火ランナーの/かかげる聖火の白い梅が/チラチラ見えてきた」…という詩句で始まる。
詩人杉山平一写有《三月》一诗。诗以这样的句子开头:“春的使者迎面而来/他高举的圣火、白梅/闪烁着映入眼帘”。
聖火台に火がともされてスポーツの祭典が幕ひらくように、春という祭典にも聖火があるのだろう。その火とはなるほど、梅の一輪をおいてはあるまい。春の聖火はいま列島を一路、北へ走っている。
春的祭典想必也有自己的圣火,犹如圣火在圣火台上点燃,运动会序幕即将拉开一般。这里所谓的圣火不会只是白梅一朵吧。春的圣火如今正朝日本列岛的北方一路燎原。
「梅まつり」の始まった湯島天神(東京都文京区)を訪ねると、暖冬の影響もあるのだろう、すでに見ごろの花もある。木々の間を散策する人、甘酒のコップを手にたたずむ人で、境内はにぎわっていた。
我来到了“梅花节”序幕已经拉开的湯島天神神社(東京都文京区),也许是受暖冬的影响吧,有些梅花早已盛开,正是观赏的好时节。有人在花丛中漫步,有人手握米酒香盏伫立着,神社境内热闹非凡。
受験生の親御さんらしき人が拝殿にじっと手を合わせている。合格祈願の絵馬があり、千羽鶴があり、冬を耐えて咲いた梅と、わが子の耐えて咲く日を待つ人と、いつもながらの早春の風景があった。
有考生家长模样的人在拜殿内默然合掌。有祈求考试合格的画马,有千羽鶴,凌寒而开的梅花,和期待孩子熬出头的父母,一同构成早春惯有的风景。
梅の聖火ランナーから始まった杉山さんの詩は、後続の走者ともいうべき春の星に筆がおよぶ。アークチュルス――これからの季節、南天の夜空を飾る牛飼い座の星である。苦しい日々のつづいた若かりし昔、その星に祈りをささげたことを回想して詩は終わる。
杉山的詩以春之圣火使者、白梅开篇,又将笔锋触及可谓春之后继者的春夜星辰。亚特拉斯——接下来的季节里、点缀在夜空南边的牵牛星座的一颗星星。诗歌最后以回想苦闷连天的青春岁月中作者对着这颗星星祈祷的情景而画上了句号。
結びの数行を追い込みに入った受験生諸君に贈ろう。「トンネルは必ず抜けるものだ/待つものは必ずくるのだ/来たのかもしれない/郵便箱にポトリと音がする」。
让我在本文结束之前,赠与正进入冲刺阶段的考生诸君诗句数行:“隧道必须穿越/理想定会实现/或许已经实现/邮筒啪嗒一声响”。