043 *~兼ねない
動詞:[ます]形 + 兼ねない
【会話】
課長:李君もずいぶんと危ない賭けをやったものだ。うまくいったからいいようなものの、一歩間違ったら取り引き停止になり兼ねなかったぞ。
係長:私が商いの「いろは」から教え直します。
山田:しかし、話し方に注意しないと、誇り高い彼のことですから、辞めるなんて言い出し兼ねませんよ。
【解説】
「~兼ねない」は不確実な推量を表す「~かもしれない」系の表現で、「(良くない事態が発生する)可能性がある」という意味を表します。「~する恐れがある」(→文型020)とほぼ同義の推量表現です。この二つは常に悪い事態にしか使えませんが、「~かもしれない」と同じく、事態の良し悪しに関係なく使える表現に「~ないとも限らない」(→文型264)があります。
秘密が漏れるかも知れない。
秘密が漏れ兼ねない。
秘密が漏れる恐れがある。
秘密が漏れないとも限らない。
【例文】
1.会社命令に背こうものなら、首にされ兼ねない。
2.あいつは金のためには人殺しだってやり兼ねない男だ。
3.そんなにスピードを出したら、交通事故を起こし兼ねない。
4.部下を無能呼ばわりするなんて、人を傷つけるひどい言い方だけど、あの部長なら言い兼ねないね。
5.このままでは両国の国境紛争は、全面戦争に発展し兼ねない。まさに一触即発の状態と言えるだろう。
【例題】
1) 旅先(に/で)は飲み水に注意しなさい。そう(する/しない)と、食あたりを(起こり/起こし)兼ねない。
2) 過ち( )( )学ぶことが(ない→ )ば、再び同じ過ちを(繰り返す→ ) 兼ねない。
【前課の解答】
1) が(「明ける」は自V)/明けない/を始めた(自Vか、他Vか)
2) 書き/終えない/が(~がする→文型031)