社内
1.課長、お客様を連れてきました。
お客様の面前ではもちろんのこと、たとえ相手に聞こえていなくても敬語を使う。
良→「課長、お客様をご案内して参りました(お連れいたしました)」
2.(上司に)この書類は、○○会社のどなたに渡すのですか。
顧客に対しては、敬称の「さん」をつける。「渡す」も「お」をつけて丁寧に。
良→「この書類は、○○会社さんのどなたにお渡しするのでしょうか」
3.(企画書を提出するとき) よければ見てもらいたいのですが…。
「よければ」を丁寧に。「見る」は「ご覧」と尊敬語に。「もらいたい」も謙譲語を使って「いただきたい」と丁寧に言う。
良→「よろしければご覧いただけますか…」
4. この方法について部長の考えを聞かせてもらえませんか。
教えを乞う気持ちを言葉に表すのがポイント。「考え」を「お」をつけて丁寧に。「もらう」も尊敬表現に変える。
良→「この方法について部長のお考えをお聞かせ願えませんか」
5.部長、田中常務が呼んでいます。
会話の相手と第三者が上位者の場合、それぞれへの敬意をこめた表現を使う。この場合、「○○でいます」より「○○でございます」を使うと、目の前の部長を敬っている表現になる。
良→「部長、田中常務がお呼びでございます」
6.(上司に)そろそろ参りましょうか。
目上の人を含んだ行動に謙譲語の「参る」を使うのはおかしい。自分は付いていくのだから、主導権のある相手の行動を促す形がよい。
良→「そろそろお出かけになりませんか」
7.(贈り物をした会社の上司からお礼を言われたとき)気に入ってもらえたでしょうか。
「気に入って」を尊敬語の「お気に召して」に変え、「もらう」は謙譲語の「いただく」にする。
良→「お気に召していただけましたでしょうか」
8.(課長に)課長、○○商事から電話です。
電話で聞こえないからといって、先方(顧客)の名前に敬称「さん」をつけないのは失礼。また、相手からの電話なので、「お」をつける。
良→「課長、○○商事さんからお電話です」
9.(来客で)加藤さん、吉田さんという方が来ています。
敬意は話題になっている人物にも影響があるので、丁寧な表現にする。また、「という方」はあいまいな表現で失礼になる。相手は所属と名前を申し出ているはずなので、はっきり伝える。
良→「加藤さん、○○銀行の吉田さんがお見えです(おいでです)」
10.明日はお休みしたいのですが。
「お」は相手の言動や所有物について敬意を表す接頭語。自分の行為につけるのはおかしい。
良→「明日は休ませていただきたいのですが」
11.部長はお電話でご出張のご相談をなさっていらっしゃいます。
敬語をいくつも重ねて過剰にするのは、聞いていても煩わしいもの。「お」や「ご」を抜いても、終りに「なさっています」と尊敬の表現にすれば、全体が敬語表現になる。
良→「部長は電話で出張の相談をなさっています」
12.お客様がおいでになられました。
「お~になる」に「れる」「られる」を加えると二重敬語になって、聞きづらい。すっきりと表現することも大切。
良→「お客様がおいでになりました」