電話応対
1.電話応対の心がまえ
電話応対は音声だけのコミュニケーションであり、相手の表情や動作がみえない。したがって発声のしかたや声のトーン、言葉づかいが、電話の話し方だけでなく会社のイメージを伝えてしまうといっても過言ではない。
よい印象を与える電話応対のために、以下の点を心がけたい。
(1) 積極的に迎える
?相手を迎え入れ役に立ちたいという積極的な姿勢で接することである。最初は気持ちの良い挨拶から始める。「お早うございます」「いつも大変お世話になっております」など。そして自然な親しみのある話し方をマスターすること。機械的な調子や気取った話し方にならないよう注意したい。
(2) 相手と直接会っているつもりで話す
?電話機と話しているのではなく、電話の向こうにいる「ひと」と話しているのである。具体的には、できるだけ相手の名前を会話の中に入れると、より親しみのある感じになろう。「では、鈴木さまのご都合はいかがでしょうか」、「中村さまのお話は、このようなことでしょうか」など。
?お礼やお詫びの言葉と同時にお辞儀をすると、自然に声にも表れ、こちらの意図が伝わるものである。
(3) 通話中は電話の相手に関心を集中すること
?上の空で対応したり、他の用事をしながらの電話は、相手に雰囲気が伝わり、不快感を与えてしまう。相手の話は集中して聞くこと。
?もし、話している途中で相手がさえぎって話し出した場合には、自分の方はしばらく引いて、先に相手の話を聞くようにする。
(4) 電話にはゆとりをもって応対すること
?どんなに忙しい状況でも、電話相手にはこちらの事情はみえない。忙しい時に面倒だとか焦ってイライラした話し方をすれば、相手はすぐ察してしまうだろう。ほんの数分を惜しんで相手の感情を害しては、大きな損害である。
?電話が長引きそうだが、今その時間がないという場合にも、あくまで落ちついた話し方で、「後ほどもう一度こちらから、お電話させていただいてもよろしいでしょうか」と丁寧に聞く手間を惜しんではならない。
(5) 電話の相手を待たせない
?短い時間でも待たされる身には長く感じるものである。30秒から1分ぐらいを限度にする。2分以上待たせる時は、待ってもらっている途中に、「もうしばらくお待ちください」と、時おり相手に確認し、待たせっぱなしにしない。再び電話に出た時は、「お待たせいたしまして、申しわけございませんでした」など、謝意を表す。
?何のために待たせるのか理由を告げるようにする。「只今書類を取って参りますので???」「スケジュールを確認いたしますので、少々お待ち下さい」など理由を告げると、待たされる側は気にならないものである。
?待たせる時間が長くなりそうな時は、いったん切って折り返しかけ直すようにする。その時は「○分後にお掛け直しいたします」と、おおよその時間を告げると親切である。
(6) 感謝の気持ちを忘れない
電話をかけてくれた相手に、感謝のことばを述べる。「お電話頂き、ありがとうございました。」たとえ叱責や苦情の電話にも、「ご注意頂きまして、有り難うございます。」と、感謝の意を表すと、前向きで好印象を与えることができる。
(7) 苦情や叱責の電話には、まず謝ること
?苦情の電話には特に誠意のある応対が必要とされる。まず詫びること。はじめの応対のしかたで相手の感情は左右されるものである。特に相手が説明している途中に遮って弁解したりしては、よけいに怒らせて逆効果になる。相手の説明を最後まで聞き、こちらの落ち度が明らかな場合は丁寧に詫び、誠意のある対処をする。もし先方の誤解だと分かった場合でも、一言詫びてから納得のいくよう親切に説明する。また自分の手に負えないと感じた場合は、早めに経験のあるベテランに代わってもらったほうがスムーズにいくだろう。
?切る前には、「今後充分注意いたします」と述べ、教訓を次に生かすように心がける。
2.電話の受け方のポイント
(1) 担当者や他部署に廻す時
用件を聞いた後、担当者や他の部署に廻したほうがよいと判断した場合は確実に廻さなければならない。用件によってどこに廻していいかはっきりしないときは、そのまま廻すとたらい回しになる恐れがある。用件をメモしておき、調べてから折り返し返事するといって、いったん電話を切る。人によっては廻してもらいたくないという場合もあるので、「その件につきましては広報課が担当しております。よろしければ、そちらにおつなぎいたしましょうか」と、相手の意向を確かめてから廻す。また廻す際に担当者に簡単に用件を説明しておくと、客に用件を何度も言わせずにすむ。
(2) 社外の人には、伝える情報に注意する
社外の人には必要以外の情報は伝えない。例えば上司の外出先や、誰と会っている、何の会議に出席しているなど、上司の行動を詳しく話してはならない。
次はその悪い例と、よい例である。
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