庐山
Cほんとに、涼しいわ!
B庐山は確かにその名所にふさわしい避暑地ですね。
A中国には避暑の名所として四つございますが、ご存知でしょうか。
Bうん、庐山のほかに、北戴河もその一つでしょうう。それから、河南省にある鶏公山も。あとは、ちょっと、、
Aあとは、浙江省にある莫乾山でございます。
Cああ、思い出したわ。莫乾山と言えば、竹のすごく多いところですね。
Aまったくそのとおりでございます。莫乾山と鶏公山は、北戴河や庐山ほど有名でございませんが、それぞれ見所を持っております。
Bところで、庐山の命名にもほかの山と同じに何か面白い話があるんでしょうね。
Aはい。西周の時代、匡という兄弟7人が茅葺を建ててここに隠居していたところ、それを耳にした周烈王が死者を遣いに出しましたが使者が着いた時、匡氏兄弟はもう姿がなく茅葺だけ残されていたと言う話がございます。そのため、この山を庐山、または匡山と名付けたのでございます。
Cなるほど。まさに隠居のもってこいの山ですね。ほら、峰峰が聳え立って連なり、その間には大小さまざまな渓谷や滝もあったりして。
A昔から「匡庐奇秀にして天下に甲たり」と言う言い方がございます。
B唐や宋の詩人李白、白居易、苏东坡、王安石らも庐山に来たことがあって、賛美の詩文を数多く残しているようですね 。
Cそうでしょうね。庐山九十九峰のうちには、詩や绝句などで有名になったものもいくつかあるようですね。
Aはい。「香炉峰の雪は簾を掲げて見る」という白居易の詩で知られた香炉峰や、李白の绝句「庐山の五老峰を望む」で有名になった五老峰をはじめ、花の道、仙人洞、文殊院、大天池、三宝樹など、変化に富む景観が多いでございます。
Cあら、見事ですわ!ほら、あちらの滝が。
Aあれが香炉峰の滝でございます。
B李白の絶句が思い出されたなあ。ほら、あの「庐山の滝を望む」
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに見る滝の長川を掛くるを
飛流直下 三千尺
疑うらくはこれ銀河の九天より落つるか
Cなんと美しい絶句でしょうね。
Aご覧ください。目の前に聳え立った峰が巨大な香炉のように見えませんかあの崖から落ちてくる、もうもうとした滝のしぶきが日に照らされて、五色の煙とも見えますでしょう。
Cええ。遠くから眺めてみると、まるで線香の煙を出している巨大な香炉にみえますわ。
Bうん。勢いよく崖から落ちてくる滝の水を九天の銀河とたとえたのもけっこう面白いですね。
Cなかなか迫力のある詩ですね。
A庐山は美しい景色に恵まれているばかりでなく、お茶の名産地としてもよく知られています。
Cああ、露店にずらりと並べてあるあの「雲霧茶」でしょうか。
Aはい。庐山の澄んだ空気と霧によって作られたおいしいお茶でございます。
Cいいわ。おみやがにでも買って帰りましょう。