同じ扇のなかまであるウチワと扇子ですが、この二つの厳密な違いをご存知でしょうか。
同样是扇子家族,大家知道うちわ和扇子的严密区别吗?
見た目では、折りたためるものが扇子、折りたためないものがうちわと呼ばれていることがお分かりになると思います。
从外表看,能折叠的是扇子,不能折叠的是うちわ,这大家应该都明白。
こちらでは、団扇と扇子は歴史的・文化的背景や細かな作りなどの違いをご紹介します。
本文将从历史、文化背景及制作细节等方面的差异来介绍うちわ和扇子。
■扇の定義
■扇的定义
団扇も扇子も同じ「扇(おうぎ)」の一種です。
うちわ和扇子都是“扇子”的一种。
扇とは円形、または円の一部を欠いた形状をしており、その形で扇ぐと風を送ることの出来る物を指します。
扇子是指形状为圆形、或圆形的部分形状,能通过该形状扇动产生风的物体。
■扇子の定義
■扇子的定义
扇子とは、「扇の子」と書く通り小型の扇のことを指します。
扇子是指“扇之子(日语扇子写作“扇子”)”那般小型的扇子。
折りたたみ式の場合、横にスライドさせて扇面を見せるのが扇子です。
折叠式的扇子可以横向展开来展示出扇面。
■団扇の定義
■うちわ的定义
団扇の「団」とは丸を意味します。
うちわ的“团”是圆形的意思。
つまり丸い形状の扇であればうちわとなるのです。折りたたみ式もあり、その場合は前後に360度開いて扇ぐことが出来ます。
所以圆形的扇子都可以叫うちわ。うちわ也有折叠式,能前后360度展开扇风。
■うちわは中国から日本へ
■うちわ是从中国传到日本
うちわの起源は古代エジプトと言われていますが、日本には中国から伝わりました。
据传うちわ起源于古埃及,日本的うちわ则是由中国传来。
夏場に涼を得るための実用的な道具として庶民の間に広まり、今のような姿になったと言われています。
うちわ作为夏天扇风纳凉的实用工具在民间传开,进而形成如今的形态。
風を起こす以外にも、ハエや蚊などの虫を追い払うものとしても使われていたようです。日常の中でさらに工夫が施され、形を変えたのがハエたたきです。
除了扇风,还可用于驱赶苍蝇蚊虫等。在日常生活中进一步改造变形而成为苍蝇拍。
風を送る用途としては、炭をよく燃焼させるためや、寿司飯を作る際に利用されてきました。
扇风的用途还能让炭火充分燃烧,以及用于做寿司饭时。
古代中国では僧侶や文化化人が風を払う行為を「魔よけ」としていたことから、うちわは神事でも役立てられてきました。
在古代中国认为僧侣和文化人用うちわ来扇风的行为是“驱魔”,因此也可用于祭神仪式。
現代では祭神輿の担ぎ手たちを応援する道具として大きなうちわが作成される姿にその名残を見ることが出来ます。
在现代,为声援祭典上抬神舆的人而制作的巨大うちわ的形式,也能看出其遗风。
■扇子は日本から世界へ
■扇子从日本走向世界
中国で発明されたうちわが日本へ伝わってから100年の後に、日本では扇子が考え出されました。
中国发明的うちわ传到日本100年后,日本制作出了扇子。
携帯しても便利なように、うちわを基にして折りたたみ式にされたのが今の扇子です。扇子の折りたたむ仕組みは、コウモリが羽を器用に仕舞う姿から考え出されたと言われています。
为方便携带,以うちわ为基础制作的折叠式扇子就是如今的扇子。扇子的折叠构造据说是从蝙蝠精巧的收翅形态而来。
そのコンパクトな利便性が海外で評価され、17世にはパリの上流階級にいる婦人達の間で大流行しました。
其紧凑的便利性在海外也受到好评,在17世纪巴黎上流社会的贵妇之间大流行。
涼を送る利便性だけでなく、扇子はその優美な見た目からも支持を得ます。そのためコミュニケーションの道具としても重宝されることになります。
除了扇风纳凉的方便性,扇子以其优美的外形也受到支持。因此作为交流工具也受重视。
その例はかの有名な源氏物語に見ることが出来ます。和歌を扇子の扇面に書いたり、花を添えたりして贈答や儀礼の場面に用いられています。
其实例从有名的源氏物语中就能看到。将和歌写在扇子的扇面,或放上花朵用于赠答或礼节性场合。
うちわが風を送る用途として実用性を追求したものであるなら、扇子は利便性のあるコミュニケーションツールとして長く日本文化の中で愛されてきました。
如果说うちわ是为追求扇风的实用性,那么扇子就是作为便利的交流工具在日本文化长河中受到喜爱。