むかしむかし、ある山寺に、随頓(ずいとん)という和尚さんがいました。
很久很久以前,某个山寺里,有个叫随顿的和尚。
その和尚さんのところへタヌキが毎晩のようにやって来て、和尚さんが寝ようと思っていると雨戸の外から大きな声で、「ずいとん、いるかぁー!」と、叫ぶのです。
有只狸每天晚上都会来和尚住的地方,在和尚快要入睡的时候就在窗外大声喊:“随顿,你在吗?”
和尚さんは、檀家(だんか)の人でも訪ねて来たのかと思って、大急ぎで返事をしながら戸を開けてみますが、外には誰の姿もありません。
和尚以为是哪位施主来访,一边急忙答应着,一边打开门,可是外面没有人。
「さては、タヌキの仕業じゃな。まったく、いつもいつも。 ようし、仕返しをしてやろう」
“原来又是狸干的好事啊。真是的,总是总是这样。 好吧,我一定要给它点颜色看看。”
ある晩、和尚さんはイモや大根のごちそうをたくさんこしらえると、お酒をチビチビ飲みながらタヌキが来るのを待ちました。
有天晚上,和尚准备了很多白薯和萝卜,一边咕噜咕噜地喝着酒等待狸的到来。
するといつもの時間になって、「ずいとん、いるかぁー!」と、呼び声がしました。
然后又到了和往常一样的时间,又传来了“随顿,在吗!”的喊声。
そこで和尚さんが戸の隙間からそぉっとのぞいてみると、タヌキは腹鼓(はらづづみ)を叩いては、「ずいとん、いるかぁー!ポンポコポン!」と、叫ぶのです。
和尚从门缝间偷偷地看了一下,看到狸敲着饱腹,叫着:“随顿,在吗!砰砰砰!”
「こりゃ、おもしろい」和尚さんは、タヌキに負けない大きな声で返事をしました。「うむ、おるぞ!」
“这个真有趣。”和尚以不输给狸的声音大喊道:“恩,在的哦!”
するとタヌキも、和尚さんに負けじと、「ずいとん、いるかぁー! ポンポコポン!」「うむ、おるぞ!」こうして、タヌキと和尚さんの問答合戦が始まりました。
狸也不输给和尚,大喊道:“随顿,在吗!砰砰砰!”“恩,在的哦!”就这样,狸跟和尚展开了问答之战。
問答合戦は夜通し続きましたが、和尚さんは酒とごちそうがあるので、いつまでたっても元気に大声で返事をし続けましたが、一方、タヌキの方は、だんだんと元気がなくなってきて、「ズイ トン、 いる かぁー。ポンポコ ポン」
问答之战持续了一晚上,不过和尚喝着酒吃着佳肴,一直都很精神地大声回答,不过另外一边,狸就渐渐没有力气了,喊着:“随 顿 在 吗。砰砰 砰砰。”
「うむ、おるぞ!」「ズイ ト ン 」と、しまいには、何も言えなくなってしまいました。
“恩,在啊!”“随 顿 ”之后,就再也没有声音了。
和尚さんは、ニヤリと笑うと。「ようし、タヌキのやつを負かしたぞ。これにこりて、タヌキもおとなしくなるじゃろう」と、喜んでいるうちに、和尚さんは酒の酔いがまわってしまい、そのままグ―グ―と眠ってしまいました。
和尚一笑,说道:“好了,狸那家伙输了。这下它该吸取教训,该老实了吧。”在高兴的心情中,和尚也借着醉意就这样呼呼大睡了。
さて、あくる朝になって和尚さんは目を覚ますと、急いで戸を開けてみました。するとそこには大きな古ダヌキがいて、お腹の皮を叩き破って死んでいたという事です。
话说,和尚一觉睡到天亮,一睁开眼睛,就急急忙忙打开门看。然后看到一只大的老狸,敲破了肚皮就那样死在那里。