本文:
(学校へ来る途中で)
李 :先生、おはようございます。
先生:李さん、おはよう。
李 :先生はいつもこの時間にご出勤なさいますか。
先生:ええ、いつもこの時間に学校へ来ます。
李 :先生は毎朝何時にお目覚めになりますか。
先生:毎朝六時ごろ起きます。
李 :お早いですね。
先生:起きてから、どんなに忙しくても太極拳を十分間ほどやります。
李 :それで先生はご丈夫なのですね。先生はご出勤の前に新聞をお読みになりますか。
先生:時間がないので、簡単に目を通すだけです。社説や重要な記事は学校から帰ってじっくり読むことにしています。
李 :先生のお宅は何と言う新聞をお取りになっていますか。
先生:私のうちでは、「人民日報」と「文匯報」を取っています。
李 :朝、ラジオをお聞きになりますか。
先生:支度をしなければなりませんから、聞くのは天気予報とニュースぐらいです。
李 :何時ごろお宅を出られますか。
先生:七時ちょっと前にうちを出ます。
李 :それでは、朝はお忙しいですね。
先生:ええ、朝はとても忙しいですよ。
李 :学校へは何にお乗りになってご出勤なさいますか。
先生:トロリーバスで来ます。
李 :どこでお乗りになりますか。
先生:家の近くで乗ります。
李 :乗り換えがありますか。
先生:ええ、二回も乗り換えなければならないので、とても不便です。
李 :どことどこでお乗り換えですか。
先生:静安寺と魯迅公園前で乗り換えます。
李 :ちょうど出勤時間ですから、たいへん込むでしょうね。
先生:ええ、いつも満員で身動きもできません。それに押されたり、足を踏まれたりしてさんざんです。特にお年寄りや婦人の方が気の毒です。
李 :それはたいへんですね。先生はご出勤のたびに切符をお買いになりますか。
先生:いいえ、定期券を持っていますから。
李 :お宅を七時ちょっと前に出られると、何時ごろ学校にお着きになりますか。
先生:トロリーバスに乗っている時間が四十分ほどですから、学校に着くのは八時十分前です。
李 :先生は遅刻なさいませんか。
先生:遅刻しないように注意していますけれども、途中、事故が起ったり、満員バスで何台も待たされたりすると、たまに遅刻してしまうこともあります。
李 :そうですか。ああ、もう、学校に着きましたね。それでは、失礼します。
先生:では、また。
(教員室で)
李 :先生、失礼します。
先生:はい、どうぞ。何ですか。
李 :先生は今日何時ごろお帰りになりますか。
先生:四時ごろ帰ろうと思っています。まだ時間がありますから、お茶でも入れましょうか。
李 :お茶なら私がお入れいたしますから、先生はどうぞおかけください。
先生:どうもありがとう。
李 :ちょっとお聞きしたいことがありますが、よろしいですか。
先生:ええ、いいですよ。
李 :今朝、教室で先生が教えてくださった敬語のことについてお訪ねしたいのです。
先生:どんなことですか。
李 :日本語では、どんな時に敬語を使うのでしょうか。
先生:話し相手が目上の人であったり、話題の中に出てくる人が尊敬すべき人であったりすると、日本語では敬語を使います。敬語にはいくつかの型があって、それによって敬意の程度を表すことができるのです。
李 :しかし、私は敬語の使い方を知っているのによく間違えるんです。どんな点に気をつけたらよろしいでしょうか。
先生:まず尊敬語と謙譲語の区別、それから聞き手や話の中に出てくる人に対する話し手の表す気持ちなどですが、詳しいことは前に「敬語の使い方」という文章に書きました。
李 :何お書きになったんでしょうか。
先生:「日本語ジャーナル」という雑誌です。
李 :先生は第何号に発表されたんでしょうか。
先生:第何号か忘れましたが、もう二年以上前です。
李 :その雑誌をお借りできるでしょうか。
先生:いいですよ。いま家に置いてありますけれど、いつほしいのですか。
李 :なるべく早いほうがいいのですが。
先生:それならあす持ってきましょう。
李 :お願いします。先生はあす同じ時間にご出勤ですか。
先生:ええ、いつもの時間に来ます。
李 :あ、四時になりました。もう先生のお帰りの時間ですね。お忙しいところお邪魔して申し訳ありません。
先生:どういたしまして。
李 :大きなお荷物がおありですね。お持ち帰りになるのですか。
先生:ええ、もって帰ります。
李 :それでは、停留所まで私がお持ちいたしましょう。
先生:それはどうもありがとう。
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