むかしむかし、ある殿さまのところに、ある村から手紙と一緒にたくさんの木の枝や葉っぱが届けられました。
很久很久以前,有封信从某个村子寄到了某个老爷的府上,一起寄来的还有很多树枝和树叶。
手紙には、こう書かれています。「村の土を掘ったところ、このような木の枝や葉がいくつもの層になって出てきました。ためしに村のはずれや川向こうの土も掘ってみましたが、どこを掘っても同じ物が出てきます。あまりにもおかしなことですので、現物(げんぶつ)をお届けいたします。」
信上这样写着:挖村里的泥土时,出来像这样的树枝和树叶。试着去挖了村边和河边的泥土看了一下,发现不管挖到哪里都是一样的东西。由于太奇怪了,所以把实际物品寄了过来。
それを読んだ殿さまは、不思議に思いました。「はて、これはどういう事だろうか?」
老爷看完信后觉得不可思议:“哎呀,这是怎么回事啊?”
広い村のあちこちから同じような物が出てくるのは、おかしなことです。
这么大的村子里居然到处都能挖出一样的东西来,简直太奇怪了。
そこで殿さまは家来たちに、あれこれと書物を調べさせました。
于是,老爷就让佣人看各种书籍调查。
するとある古い書物に、こんな事が書いてあったのです。
然后在一个很旧的书里看到了这样的内容。
そのむかし、天皇(てんのう)が重い病気になったので、御所(ごしょ→天皇の住むところ)の人たちは有名な占い師を呼んで病気の原因を占ってもらいました。
很久以前,天皇身患重病,皇宫里的人们唤来了有名的占卜师,让他占占生病的原因。
すると占い師は、「東の方に、一本の大きな木があります。その木が、天皇にうらみをいだいているのです。木を切ってしまえば、ご病気はたちどころに治るでしょう」と、言うのです。
那个占卜师说道:“在东方,有棵很大的树,那树上有对天皇的诅咒。只要把树砍掉,您的病马上就能好了。”
大きな木は、琵琶湖(びわこ)の近くの村にありました。
那棵大树在琵琶湖附近的村子里。
その大きな木は幹(みき)のまわりが百メートルもあるという、信じられないほどの太さの大木で、村中を木かげにして天高くのびています。
绕大树树干一周有几百米,简直大的让人难以置信,树荫盖过整个村子,都快伸到天上去了。
御所ではたくさんの木こりを集めて、すぐにその大木を切り倒す事にしました。
在皇宫召集了很多樵夫,决定马上把那棵大树砍倒。
ところがその大木は、切っても切っても次の日の朝には元通りの姿になっているのでした。
可是那棵大树不管怎么砍,到了第二天又会恢复到原来的样子。
御所では、また占い師を呼んでたずねました。
于是又把占卜师喊来咨询。
すると占い師は、「切った木のくずをまわりに残しておくと、木が元通りになってしまうのです。天皇をよく思わない者が、それほど強いのろいをその木にこめたのでしょう。きった木のくずを毎日残らず焼いて灰にしてしまわなければ、切り倒すことは出来ません」と、言いました。
这次占卜师说道:“如果把砍下来的废料放在旁边的话,树就会长成原来的样子。是因为那个诅咒天皇的人在那棵树里下了很强的诅咒吧。如果不把每天砍下来的废料一点不剩地烧掉的话,就不能砍得倒它。”
そこで毎日、切った木のくずを焼き捨てました。
于是每天把砍下的废料都烧毁了。
そして七十日目にようやく大木は切り倒されて、枝や木の葉が村中に飛び散って土にうまったのです。
终于在第七十天的时候砍倒了大树,树枝和树叶飞散在村子里,埋在土里。
この木が倒れてから天皇の病気は一度はよくなりましたが、すぐにまた別の病気にかかって亡くなってしまいました。
这棵树倒了之后,天皇的病好了一段时间,可是很快又染上了别的病去世了。
御所で、他の占い師を呼んでたずねたところ、今度は、「大木を切ったのが原因だ。どうしてそんなことをしたのだ」と、言ったそうです。
皇宫里又喊来了别的占卜师询问,这次这个占卜师却说道:“原因是因为砍了那棵大树。为什么要那样做呢?”