♂は、ギリシア神話のマルスという神様から来ています。火星のシンボルでもあります。
この神様は気の荒い、戦争の神様です。
この形は彼の武器、矛と盾を合わせたもの。
♀は同じくギリシア神話の、アフロディテという神様から。金星のシンボルでもあります。
彼女はローマ語の「ビーナス」の方が有名だと思いますが、愛と美の女神です。
この形は彼女が手に持つ手鏡の形からです。
このマークをオス、メスの意味に最初に使ったのは、1753年、スウェーデンの植物学者のリンネです。学名をラテン語でつけるようになったのも、この人が始めました。
もっとも男性的で荒々しい神様と、もっとも女性的で美しい女神様のシンボルから、男性と女性のシンボルマークに採用したのですね。
余談ですが、マルスはアフロディテの不倫相手(アフロディテの旦那さんはゼウスの奥さんでヘラという女神様が一人で生んだヘパイストスという鍛冶の神様。足がねじれて不自由で、生まれてすぐに捨てられましたがトロイで有名なアキレスのお母さん、海の女神ティティスに拾われて育てられました。とても寛容で愛妻家でしたが、マルス相手の時だけは堪忍袋の緒を切ったそうです)でもあります。