人に何かを頼むとき、どう言いますか?
基礎編 自宅で。
アンナ:(封筒入り書類をみつける)あら?これ…。
~~~~~~~~前夜~~~~~~~~
----夫、台所のテーブルでパソコンを打っている
アンナ:まだ寝ないの?もう遅いわよ。
夫:ああ、先に寝て。これ、あしたが期限なんだ。
アンナ:そう。大変ね。じゃ、お先に。お休みなさい。
夫:お休み。
~~~~~~~~アンナ:あーっ!大変!
アンナ:あ、もしもし、私、小野の家の者ですが、いつもお世話になっております。あの、お忙しいところすみませんが、小野を呼んでいただけないでしょうか。**********
重要表現 (1)あの、(2)お忙しいところすみませんが、(3)小野を呼んでいただけないでしょうか。**********(1)遠慮しながら言うときの合図です。
(2)「お忙しいところ」は「忙しい」に尊敬語「お」をつけ、「あなたは忙しいのに」という意味です。「ところ」は「とき」の丁寧な表現です。「すみませんが」は丁寧に謝る気持ちを表します。
(3)「小野」はこの場合、自分の夫のことです。職場の人など、関係の
遠い人に対して家族のことを呼ぶときの言い方です。「呼んでいただけないでしょうか」は「呼んでほしい」(「呼ぶ」はこの場合、電話のところまで連れてくること)という依頼を丁寧に表します。「~ていただけないでしょうか」は丁寧に依頼する表現です。
ポイントもっと頼みにくいことを無理に頼むときの表現を覚えましょう。
応用編 パート先で。卸売店の人が野菜を届けに来る。
卸の人:まいど。
アンナ:あ、おはようございます。
卸の人:はいよ、これね。
アンナ:どうも、えーと。
あれ?あの…、柿が入ってないんですけど。
卸の人:柿?ああ、ちょっとまだ無理だよ、そりゃ。
アンナ:ええ。でも、貸し切りのお得意さんの強い希望なんです、柿のゼリーが。
卸の人:弱ったねえ。
アンナ:無理を承知で申し訳ないんですが、何とか探していただけないでしょうか。**********卸の人:うーん。じゃあ、ちょっと待っててよ。
重要表現 (1)無理を承知で申し訳ないんですが、
(2)何とか探していただけないでしょうか。**********(1)「聞き入れてもらうことは無理だと分かっているので、悪いと思いますが」の意味で、できないだろうとわかっているので、頼みにくいが聞き入れてもらういたいときに使います。
(2)「何とか」は、無理な依頼を受け入れる方法を見つけてほしいときに、「~ていただけないでしょうか」の前につけて、丁寧に頼む表現です。
コラム
「縁起が良い」
「これは縁起が良い」という表現を聞いたことありませんか。「縁起」とは、もともと仏教の言葉で「すべてのことが関係し合って成り立っている」の意味ですが、現在では、良いことが起こる前の印のことを「縁起が良い」と言い、良いことを願うためのものを「縁起物」と呼びます。
たとえば、「縁起の良いこと」には次のようなものがあります。
(1)湯のみ茶碗にお茶を入れたとき、茶柱が立つ。
(2)1月1日の夜「富士山、鷹、なす」の夢を見る。
「縁起物」には次のようなものがあります。
(1)招き猫…客をたくさん呼んで商売がうまくいく。
(2)だるま…願い事をするときに片方の目を書き、願いがかなうと両方の目を書く。
(3)熊手…幸せやお金が集まる。
(4)お多福…幸せがたくさん来る。