呉:お電話をいただいて驚きました。クレーマ提起とのことで、一体どんな問題でしょうか。
山田:こんな不愉快なことを申し上げるのはまことに残念ですが、なにしろ当方は相当の損害を被ったので、貴方に損害賠償を請求しないわけにはいきません。
呉:どうか詳しく経緯を聞かせていただけませんか。
山田:はい。実は、先日長安号積みで到着した500箱の黒木くらげを検査したところ、三分の一が、品質も規格もサンプルと違っているのです。その中の数ケース、いや、ひどいのになると、大部分が砕けものです。これでは、引き取れません。
呉:そんなことがありましたか。当社では今まで一度もそのような事態が発生したことはありませんが。
山田:申し上げたのはすべて事実です。これは開梱したばかりのものです。どうぞご覧ください。
呉:おお、そうですね。どうしてこうなったのでしょう。当方ではサンプルどおりに発送いたしたはずなのですが。もしかしたら積み卸す時の衝撃や圧迫による破砕ではないでしょうか。
山田:これは貴社の認めた公証所からの鑑定報告書です。その記載では、包装は完全無欠で、なんら少衝撃や圧迫を受けた跡がないとのことです。ですから品質に問題があると思います。
呉 (鑑定報告書を読む)
山田:呉さん、私どもは困っているんですよ。もう卸し先と契約も出来ているのに。
呉:お困りのこと、理解できます。実際、わたしは問題を解決しなければなりません。もし確かに当方のせいでしたら、必ず責任をもって善処いたします。
山田:はっきりしたご返事をいただき、非常に嬉しく思います。
呉:これは当然のことです。取引は信用を重んじなければなりませんから。それではまず開梱検査をして、それから話し合いで解決しましょう。
山田:はい。いますぐ倉庫へ行ってみませんか。
呉:はい、行ってみましょう。
(一週間後)
呉:山田さん、あの件、本社から返事が来ました。なにしろ急な出荷だったもので、メーカーの方で間違えたのです。申し訳ありませんでした。
山田:そうですか。原因がはっきりして、まず一安心です。
呉:また本社から処理案も出されて、ご意見を伺うように指示せれております。
山田:それではお伺いしましょう。
呉:賠償につきましては、お宅の求償金額を全額受諾いたします。
山田:それはどうも。
呉:どれから、こちらの手違いの品物は返品する必要もありませんから、半額でお引き受けいただいて、それで賠償金に充当いたしたいのですが。
山田:どうですか。で、残りの半分はどうするつもりですか。
呉:残りの半分は、ご注文の際割引でカバーさせていただきたいですが、いかがでしょうか。
山田:桔構です。今度の事件がこんなに早く、且つ公正に解決されたのはまったく呉さんのお蔭です。
呉:いや、こちらの手違いで、こんなあってはいけないことが起きて、本当に申し訳ございませんでした。今後はきっとこの種の事故がないように気をつけます。
解説
1: クレーマ 索赔
2: 被る 遭受(損失)
3: サンポル 樣品
4: 経緯 經過情况
5: ひどういのになると 甚至于
6: 砕けもの 碎貨
7: 開梱 開箱,拆包
8: 卸し先 批發商
9: まず一安心 總算放心了
10: カバー 補償,抵冲