DEARS星座物語外伝 二十四の物語-17
うしさんを助けた弓矢
朗読:福山潤
昔昔ある所に人間たちと動物たちが仲良く暮らしている里がありました。ここでは人間たちが田畑を耕し、動物たちに食べ物を上げていました。
そして、動物たちも人間たちにお礼をします。うしさんはミルクを、羊さんは暖かい羊毛を人間たちにプレゼントしていました。
ここでは人間と動物がお互いを助き合い、みんな幸せでした。
そんなある日の事。
この里に一人の旅人がやってきました。旅人は狩りをしながら旅をしていました。
でも、この里では人間と動物がとても仲良く暮らしていたので、里の動物に弓矢を向けないようにしてくれました。
その日の晩、この里に物凄い雨が降りました。すると途端に、畑は水浸しになり、動物たちの住処も流され、川は轟轟とすごい清いで流れました。
そこで、人間たちと動物たちは急いで安全な場所に移行としました。するとその時です。どこからがうしさんの泣き声が聞こえてくるのです。
「モーモー!もう駄目!」
慌てて見に行くと、轟轟と流れている川にうしさんが流されてしまっているではありませんが。しかし、助けようにも川の水が多すぎでまったく近付けません。
すると旅人が弓を取り出して、うしさんの方に矢を向けました。みんなは慌てます。
「ちょっと待ってください、旅人さん!うしさんを打つんですか?」
「そんな事はしません。見ててください。」
旅人が弓矢を放つと、矢はまっすぐうしさんの直ぐへ飛んでいきました。すると、轟轟と流れている川が、そこから真っ二つに割れたのです。
こうして、うしさんは助かりました。みんな大喜びです。
里のみんなは旅人さんにこれからもここにいて欲しいとお願いしました。すると、旅人さんも喜んでこの里に残ると言ってくれました。
こうして、里には新しい人が増えました。
そして、それからも人間たちと動物たちは仲良く暮らしたのでした。
お仕舞い。