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日语童话故事精选:兔子和太郎

作者:来源  来源:日语学习网   更新:2015-8-28 8:53:35  点击:  切换到繁體中文

 

むかしむかし、ある山おくに、おじいさんと孫の太郎がすんでいました。


二人の家のすぐそばのささ山には、人をだましてはよろこぶ、わるいウサギがすみついています。


そのころは、ウサギのしっぽは長くて大きなものでした。


ウサギは、この大きなしっぽをじまんにしています。


ある日のこと、山へ出かけるおじいさんが、太郎にいいました。


「山さいって、ひとはたらきしてくるかのう。太郎、夕方にはかえってくるで、おかゆでもにて待っててくれろ」


「うん」


太郎はおじいさんを見送ると、おかゆを作るために、なべをあらいはじめました。


その音に、ウサギが気づき、


「おや? なべを洗っているのか、ということはめしを作るんだな。じゃあ、めしができるまでねて待つか」


そういうと、ウサギはゴロッと横になり、グーグーひるねをはじめました。


さて、夕方。


おかゆもできあがり、いいにおいがしてくると、ウサギの鼻がピクピクピクッと動き、パッとはねおきて太郎の家へ走っていきました。


そして太郎にいいました。


「太郎、なにしてるだ?」


「おかゆをにてるだよ」


「うまいんか、そのおかゆってのは」


「そりゃあ、うめえさ」


「なら、ちょびっと食わせてくれや」


「だめだめ、じいさまにおこられる」


「ちょびっとだ、ほんのちょびっとだけだ。おら、おかゆってのを食ってみてえ。ねえねえ、ねえったら」


ウサギがあんまりしつこいので、太郎はしかたなく、


「じゃあ、ほんのちょびっとだぞ」


と、なべをウサギにわたしました。


ウサギは、うれしそうにおかゆを食いはじめ、


「あち、あち、あちいがうまい、いやあ、うまい! じつにうまい! ああ、うまかった。さようなら」


ウサギはなべをかえすと、あっというまに山へ帰ってしまいました。


太郎がなべの中を見ると、なんと、からっぽです。


こうしてウサギは、人のいい太郎をだまして、おかゆをみんな食べてしまいました。


おじいさんが帰ってくると、太郎はなべをかかえたまま、ションボリしています。


「太郎、おめえ、なにしてるだ?」


「あっ、じいさま。ウサギにおかゆを食われちまっただ」


これには、おじいさんもガッカリです。


よく朝、おじいさんは、山へ出かけるまえに太郎にいいました。


「太郎、きょうは、ウサギにおかゆを食われるでねえぞ」


「うん、だいじょうぶだ」


太郎は、きょうこそおかゆをたらふく食おうと、はりきって作りはじめました。


そしてタ方。


「ウサギがきたって、もうぜったいにやんねえぞ!」


ところがまた、ウサギがきました。


「あっ、おめえのおかげで、きのうはひどいめにあったぞ。とっとと帰れ!」


するとウサギは、まじめな顔をしていいました。


「そんなこといってる場合じゃないぞ。おまえのじいさまがな、山でたおれておったど」


「えっ! ほんとうか? そりゃあたいへんだ!」


太郎はビックリして、なにもかもほうりだすと、山ヘ走っていきました。


その後ろすがたを見送りながら、ウサギはニンマリ。


「ウッヒヒヒヒ、うまくいったぞ」


いっぽう、ひっしで山をのぼっていった太郎は、ちょうど山からおりてくるおじいさんと出くわしました。


「これ太郎! どこいくんじゃ?」


元気なおじいさんを見た太郎は、ようやくだまされたことに気づきました。


「しまった!」


おじいさんと太郎が大いそぎで家へもどると、からっぽのなべがころがっています。


またウサギに、ごはんを食べられてしまった二人は、お腹のすいたまま、ふとんにもぐりこみました。


そしてつぎの日、太郎が、「きょうこそは!」と、おかゆをにていると。


「太郎さん」


「またきたなっ! もうかんべんならねえ、ウサギじるにしてやる!」


人のいい太郎も、さすがにすごいけんまくです。


するとウサギは、


「ま、待って。きょうはあやまりにきただ。すまん、すまん」


と、しんみょうな顔をして、ペコペコと頭を下げます。


そんなウサギを見て、こころのやさしい太郎は、


「よし、ゆるしてやるから、とっとと山へ帰れ」


「いや、それではおらの気がすまねえ。じいさまにこれをやってくれ。これは不老長寿(ふろうちょうじゅ)の薬じゃ」


そういうと、ウサギは太郎に竹づつを手わたしました。


「ふろうちょうじゅって?」


首をかしげる太郎に、ウサギはいいました。


「おめえ、じいさまに長生きしてほしいだろ。これは、長生きの薬なんじゃ」


「ほんとうか?」


「でも、この薬は、すぐになべでにないときかんよ」


「なべ? おまえ、うまいこといって、またおかゆを食うつもりじゃろう」


「なにいってんだ。じいさまに長生きしてほしくねえのか?」


「そりゃあ、長生きしてほしいが」


「それ見ろ、さあ、おらがなべをからっぽにしてやるで、早くその薬をにろや」


そういうが早いか、ウサギはまたまた、おかゆをたいらげてしまいました。


おじいさんが山から帰ってくると、太郎はうれしそうにそのことを話し、さっそく、なべでにた薬をちゃわんについで、おじいさんにさしだしました。


「さあ、じいさま。これ飲んで長生きしてくれろ」


「うん? なんだか、ヘんな色合いじゃのう。それに、においも少々」


と、首をかしげながら、一口飲んだとたん、おじいさんははき出しました。


「うえ~っ! なんじゃ、こりゃあ! ウサギのしょんべんでねえか!」


ついに、おじいさんのかんにんぶくろの緒(お)が切れました。


「太郎! まきを切るナタもってこい! ウサギのやつ、ひどいめにあわせてくれる!」


ウサギは、すごい顔でやってきたおじいさんを見てビックリ。


あわててにげだしました。


「待てっ! えいっ! とうっ!」


ナタをふりまわしながら、おじいさんはウサギをおいますが、ウサギのすばしっこいこと。


あっちへピョンピョン、こっちへピョンピョンにげまわり、ふりむいては、おじいさんをからかいます。


「やーい、じいさま、年じゃのう。くやしかったらつかまえてみろ」


「いわせておけば、いいたいことをいいおって! これでもくらえっ!」


おじいさんは、ウサギめがけてナタをなげつけました。


ウサギはピョンとはねて、ナタをよけましたが、長いしっぽだけはよけそこない、スパッ! と切れてしまいました。


「・・・ああっ! いてっ! いてっー!」


しっぽをきられたウサギは、あまりのいたさに山じゅうを何日も何日も、なきながら走りまわりました。


そのため目は赤くなり、いつのまにか、前あしと後ろあしの長さがちがうようになってしまいました。


それからだそうです、ウサギのしっぽが短くなったのは。


 

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