むかしむかし、瀬戸内海にのある島に、親子の三羽のツルがわたってきました。
很久很久以前,在濑户内海一个岛里,来了一家三口的仙鹤。
三羽が仲良くエサをついばんでいると、そこへタカが飛んできて子ヅルに襲いかかりました。
三只仙鹤其乐融融地在啄食时,飞来一只鹰袭击了小仙鹤。
子ヅルを捕まえたタカは自分の巣に子ヅルを持って帰ろうとしましたが、途中でバランスを崩して子ヅルを海へ落としてしまったのです。
捉了小仙鹤的鹰原本是想将小仙鹤带回到自己的窝里,可是途中失去平衡,把小仙鹤掉到了海里。
二羽の親ヅルは海に落ちたわが子をすくおうとしましたが、手だてがありません。
仙鹤父母想救掉在海里的孩子,可是没有办法。
するとそれを見つけた島の漁師が、舟を出して子ヅルを助けてやりました。
看到这一幕的岛上的渔夫就划船出去救了小仙鹤。
漁師は子ヅルを空へもどしてやろうとしましたが、子ヅルは羽をバタバタさせるばかりです。
渔夫想把小仙鹤放到空中去,可是小仙鹤却只是吧嗒吧嗒地拍着翅膀。
「どうした?けがでもしたのか?」困った漁師は、子ヅルを庄屋さんのところへ連れていきました。
“怎么了?受伤了吗?”渔夫感到困惑,就把小仙鹤带到村长地方去了。
庄屋さんは子ヅルのけがに気づくと、薬を調合して介抱してやりました。
村子注意到了小仙鹤的伤,就配了药照顾它。
そして子ヅルのけがが治ると、庄屋さんは子ヅルを空に返してやりました。
治好了小仙鹤的伤后,村子就把小仙鹤放到了空中。
さて、それから三年ほどたった年の正月の事です。
话说,那是三年后正月里的事。
朝早くから二羽のツルが、庄屋さんの家の上空を舞い続けていました。
从早上开始就有两只仙鹤不断地在村长家里的上空起舞。
ツルは日中になると山へ帰っていきましたが、夕方になるとまたやってきて、何度も家の上空を舞ってから去っていきました。
仙鹤白天就回山上,到了傍晚再飞回来,在房子上空起舞后再离去,这样反复了好多次。
そこへ、庄屋さんの家で働いている若い男が走りこんできたのです。
然后在村长家打工的年轻男子跑了进来。
若い男は、にぎっていた黄色い棒きれのようなものを二本、庄屋さんに見せました。
年轻男子把捏在手里的两根黄色棒状的东西给村长看。
「なんじゃな、そんなにあわてて。うん? これは!」庄屋さんの顔色が、さっとかわりました。
“什么呀,这么慌慌张张的。咦? 这是!”村长的脸色一下子就变了。
棒きれかと思ったものは、万病にきくという高価な朝鮮人参だったのです。
以为是棒子,却是传说中能治万病的高价朝鲜人参。
「こんなもの、どこで拾ったんじゃ?そもそも朝鮮人参など、この島にあるわけがない」
“这东西是在哪里捡的?按理说,这种朝鲜人参在这个岛上应该是没有的啊。”
「はい、家の前に落ちていました。そういえば朝早くから、二羽のツルが家の上を何度も舞っていましたから、もしかするとあの時のツルが」
“是,是掉在家门口的。这样一说,从早上开始就有两只仙鹤在房子上空起舞,莫非是那时候的仙鹤。”
若い男がいう通り、助けられたツルが朝鮮から海をこえて、庄屋さんに朝鮮人参を持ってきたのです。
正如年轻男子所说,受到过帮助的仙鹤从朝鲜飞过海洋,给村长带来了朝鲜人参。
庄屋さんは二本の朝鮮人参を見つめながら、ツルの恩返しに感謝しました。
村长凝视着两只朝鲜人参,一边对仙鹤的报恩心怀感激。