▼週末の列島をこの冬最強の寒波が包み、北海道は吹雪に、日本海側は西まで白に染まった。ゴシック体で書きたい雪である。ホワイトクリスマスには違いないが、降り募る六花(りっか)がいつも団欒(だんらん)やデートの小道具とは限らない
▼居座る寒気も、舞う雪も同じながら、地上の風景が違う。被災地には積もるべき屋根がない。沿岸から内陸に逃れ、慣れぬ雪かきにあえぐ人々がいる。雪暗(ゆきぐれ)の空に思うのは変わり果てた古里か、離ればなれの肉親か
▼虽然盘踞的寒流和飞舞的雪花和往年一样,但是地上却已人物两非。灾区没有本应堆起雪花的屋顶。人们从沿岸逃亡内地,也有人用着不习惯用的雪铲而气喘吁吁。在下雪天里想到的是最终还是改变的老家还是分散的血亲呢?
▼行政のすきま風であろう。急ごしらえの仮住まいには、防寒対策が不十分なところも多い。お年寄りのみの世帯に、昼間だけ黄色い旗を掲げてもらう仮設住宅があるそうだ。旗が出なくても、出たままでも、無言のSOSになる
▼震災は弱い立場にある人をさらに傷つけ、初めての冬が傷口を疼(うず)かせる。被災者を含む弱者にピンポイントで暖を届ける時なのに、来年度予算案をめぐる迷走と裏切り、小細工はどうだろう。一段の寒さを覚えてしまう
▼むろん、悪いことばかりは続かない。お天気の経験則によれば、聖夜の前後が凍(い)てつくと、元日あたりに寒が緩むらしい。混乱の後は平穏、拙政の果てには賢政が待つと念じたい。こうして字を打ち込む音が、だんだん大きくなる。
▼当然,也并非全是坏事。根据天气的变化规律总结出来的经验,圣诞夜前后如果是天寒地冻的天气,过年时寒意会有所减缓。祈求混乱后能够回归平静的生活,期盼一塌糊涂的政局之后,等待民众的是贤明政府。在记录下这样的心情时,我打字的声音越来越大了。