オランダに長く暮らすモーレンカンプふゆこさんから、句集『風鈴白夜(ふうりんびゃくや)』(冬花〈とうか〉社)をいただいた。かつて小欄で、遠き日本を思う〈手の中に団栗(どんぐり)という故国あり〉を引いた作家だ。趣を異にする句が目に留まった。〈寒灯下(かんとうか)曲がってしまった曲(まが)り角〉
长期居住在荷兰的MoellenkampFuyuko女士给了我们一本名为《风铃白夜》(冬花社出版)的俳句集。曾经本栏目引用过一首这位作家思念远方日本的俳句“身居异国他乡,手中橡子故国”。还有一首别具趣味的俳句,“稀稀寒灯下,拐入街角时”。
▼仕事帰りの石畳、ふと街灯の下に佇(たたず)み、輝く粉雪を仰いでの詠である。寒灯とは、身も心も凍る夜、灯(ともしび)までが寒々しい様をいう。異国で離婚し、身の振り方を思案していた作者は、その凜々(りり)しさに背を押されたという。
工作回来走在石板路上,无意中站在路灯下,抬头看着晶莹的纷纷落雪,有感而发。所谓寒灯,就是在这冷彻心扉的夜里,连灯光都是冷冰冰的。作者在异国他乡经历了离婚,思考着今后的生活,诗句中体现了作者的凛然之气。
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