Aさんが十日間の訪中旅行から帰って来ました。友人のBさんが、早速情報を聞きに来ました。
B:お帰りなさい。中国旅行はいかがでしたか。
A:日程はきつかったのですが、面白かったですよ。今の中国は活気に溢れ、どこへ行っても商売の話しでした。
B:どこの町でも工事で、交通渋滞が凄(すご)かったでしょう。ところで、不動産投資の話しはどうなりましたか。
A:ああ、例の商業センターね。現場を見て来ました。なんでも文化娯楽施設とオフイスビル及び高級マンションを建築地区にする構想なんだそうです。
B:そこは商業地域なんですか。 A:ええ、そうなんです。しかもうまいことに新興住宅地とも隣接しているので、緑化もある程度されていて、良い環境でしたね。
B:面積はどのぐらいなんですか。
A:確保している敷地面積は九万平米だそうです。
B:で、建物はどのぐらいの規模なんですか。
A:一応建坪(たてつぼ,建筑面积)一万八千平米のビルを計画していましたね。そのうち、1/4を映画館やホール等の文化娯楽施設に充て(あて)、残りを事務所及び住居用に充てる計画のようですな。
B:で、その計画はもう実際に動き出しているのですか。
A:目下基本設計を作成中で、ころを××市の計画部門と所轄官庁部門に申請し、正式に審査を受け、建築許可が下(お)り次第、本設計そして施行に入るそうです。
B:ほかにどういうところを視察されたのですか。
A:○○市郊外のハイテクパーク(高新技术园区)にも行ってきました。
B:ハイテクというと……
A:これから展開しようと、力を入れている産業に、情報産業.光ファイバー等の新しい通信設備。電子工業.バイオテクノロジー.宇宙工学などがあります。また新エネルギー.新素材の開発をも目指しているとのことでした。
B:パーク内のインフラストラクチュアー(基础设施)の整備状況はどうでした?br> A:電気、水道、ガス、電話、道路、雨水。汚水などの排水設備といった基礎工事は済んでいましたね。
B:すると投資方は自分で建物を建築しなければならないのですね。
A:いや、建築済のビルや工場もありました。それにサービスセンターというビルがあって、そこにはショッピングセンターやレストランまた展示場。商談用のオフィスルームもありました。
B:ようやく核心に入りますが、投資の条件はどんなものなのですか。例えば、どのような形態があるのですか。
A:合弁経営、合作経営、独資経営というように三種類あります。
B:では、企業設立の手続きはどのようなんですか。
A:合弁経営、合作経営の手続きを簡単に説明しますと、先ずプロジェクト建議書(编报项目建议书)を作成し、さらにフィジビリテイ。スタデイ(F/S)報告書(可行性研究报告)や契約及び定款を作成し、審査を受け批准されれば、企業登記を行ない、企業許可証交付となります。独資経営企業は対外コンサルテイング会社(对外咨询公司)に設立業務を委託することができます。
B:設立までどのぐらい時間が掛かりますか。
A:書類が揃っていれば、三ヵ月ぐらいだそうです。 B:合弁企業にはどんな優遇措置が取られているのですか。
A:企業所得税、地方所得税、固定資産税などの面で優遇されています。
B:ところで、パーク内の土地は買えるのですか。
A:それはできませんが、土地の使用権が認められています。
B:土地使用権は譲渡(有偿转让)できるのですか。
A:譲渡できますし、また担保として提供することもできますので、資産としての用件を満たしています。
B:建て売りビルや工場を買い入れた場合でも管理費や維持基金(维修基金)を支払わなければならないのですか。
A:はい、そうです。管理費やパーク内一律(统一标准)です。維持基金はビルや工場の買い値の×%です。
B:いやあ、随分と詳しく視察されましたね。色々とどうもありがとうございました。また情報が入りましたら教えてください。
A:いや、どうも。お役に立てば嬉しいです。