むかしむかし、ある剣術の道場で、二人の侍(さむらい)がけんかを始めました。
很久很久以前,在某个剑道场,两个武士吵了起来。
「さっきの勝負は、おれの勝ちだ!」「いや、おれの勝ちだ。木刀(ぼくとう→木で作った刀)だからわからないだろうが、もし本物の刀なら、今頃お前は死んでいる」
「刚才的比赛是我赢了」「不,赢的人是我。虽然是木剑,可能不太清楚,可是若是真的剑的话,你现在早就死了」
「とんでもない。死んでいるのはそっちの方だ。おれの方が先に切ったはずだ」「先に切ったのはおれだ!木刀だから、わからなかっただけだ!」
「没关系,因为死的肯定是你。是我先杀了你」「先砍下去的是我!只是因为是木剑,所以不太清楚而已」
「うそを言うな。お前なんぞに、おれが切れるものか」「よし、そこまで言うなら、本物の刀で真剣勝負(しんけんしょうぶ)だ!」「おう、望むところだ。きさまの体をぶった切ってやる!」
「别瞎说。你这种人怎么可能杀得了我」「好,既然话说到这个份上了,那就用真的剑来决斗吧!」「好,这正是我希望的。我一定把你这小子切成两半!」
道場にいたほかの侍が、あわてて止めに入りました。「まあ、まあ、二人とも落ち着け。もし道場で刀を抜くと、破門(はもん)されるぞ」。
在道场的其他武士赶紧阻止他们。「好了好了,你们俩都冷静一下。如果,在道场上拔剑的话,就会被赶出去的」。
破門というのは、道場をやめさせられる事です。
所谓破门,就是说会被道场辞退。
でも二人は、そんな言葉には耳を貸そうとしません。
可是,那两个人完全听不进去。
「破門でもかまわん。こいつを切らんと、おれの気がすまんのだ。さあ抜け」「ようし、覚悟(かくご)はいいな」二人は本物の刀を持ち出すと、お互いに構えました。
「辞退什么的没关系。只要能劈了这个家伙,我的心愿就实现了。那么拔剑吧」「好,觉悟吧」两个人拔出了真的剑,摆好架势。
するとそこへ知らせを聞いた道場の先生がかけつけて来ました。「二人とも、止めんか!」先生が怒鳴っても、二人は止めようとしません。
知道了这个消息的道场老师急急忙忙赶了过来。「你们两个给我住手!」先生怒吼了一声,可是那两人丝毫没有要住手的意思。
そこで先生は、二人の間に入って言いました。「よろしい、それほど真剣勝負がしたいのなら、特別に許してやろう。お互いに、死ぬまで戦え。その代わりどっちが勝っても、勝った方にわたしが真剣勝負を申し込むからな!」
于是先生就站在两个人的中间说道「好吧,既然这么想用真剑决胜负,那就给你们这个特权。相互拼死决斗吧。而如果谁取胜了,那么赢的一方就和我决斗吧」。
それを聞いて、二人ともびっくりです。
听了这个之后,两个人都大吃一惊。
先生は有名な剣術使いで、万に一つも勝ち目はありません。
老师是有名的剑术驾驭者,对他们来说根本没有胜算。
すっかり怖くなった二人は、まっ青な顔で先生に謝ると真剣勝負を止めてしまいました。
吓到了的两个人脸色苍白地向老师道了歉,放弃要用真剑决胜负。