むかしむかし、余内村の与助という人が、田辺のご城下の親戚へお祝いごとで出かけて行きました。
很久很久以前,在余内村有个叫与助的人,去田边城下的亲戚家道喜。
そして両手にいっぱいのお土産をもらい、夜道を帰って行ったのですが、いつも通る伊佐津川の橋が、二つ並んでかかっているのです。
他手上提满了各种土特产,走夜路去的时候,发现经常经过的伊佐津川的桥居然变成了两座。
「はて、橋は一本のはずだが、二つもかかっているぞ。ちと、飲み過ぎたかな?」与助は不思議に思いながらも、二本の内の一本に足をかけると、すたすたと渡っていきました。
「哎呀,这桥应该只有一座啊,怎么会变成两座了呢。是我喝醉了吗?」与助觉得不可思议,然后踏上了其中一座桥,飞快的跑过去。
すると橋のまん中ほどで、いきなり橋が消えてなくなり、与助は真っ逆さまに橋の下へと落ちていったのです。
但是在到桥中间的时候,桥居然突然消失了,与助头朝下,掉到桥下去了。
さいわい下は草地だったので、怪我はありませんでしたが、不思議な事に持っていたお土産の料理やお酒がなくなっていたのです。
幸好下面是片草地,没有受伤,但是不可思议的是手里拿的作为礼品的料理和酒居然不见了。
そこを、ちょうど通りかかった町の魚屋が、与助を助け出して言いました。「与助さん、もしかして、橋が二つに見えたのではないですか?」
正好经过那里的镇上的鱼店老板救了与助,然后对他说道「与助,莫非你看到了两座桥?」
「ええ、そうなんですよ。そして、その一方の橋を通ろうとしたら、こんな事になりました」
「恩,是的呢。而且,正想过那其中一座桥的时候,就发生这种事了」
「やはり。そいつは、キツネの仕業ですよ。ついこの間も、村人がだまされていましたよ」
「果然。这是狐狸干的好事。就在不久之前,才有村民上过当呢」
さて、この話が広まってからは、余内の人たちは夜歩きする時に着物のそでに小石を入れておいて、もし二つの橋が見えたときは、その両方の橋に小石を投げるのだそうです。
听说在这事传开去之后,余内的人们在走夜路时都会在衣服袖子里藏小石子,如果看到两座桥的话,就向两座桥扔小石子。
そして、コツンと、石の音がする方が本当の橋で、何も音のしない方は、キツネが化けた橋だといわれています。
而且,如果发出咚的一声石子的声音的话就知道是真的桥了,如果什么声音都没有的话就是狐狸变的桥了。