拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申しあげます。
さて、大変申しあげにくいことですが、昨年12月29日にご用立ていたしました金子20万円、お約束の1月末日をとうに過ぎましてもご返済がなく、当方としましては大変当惑いたしております。
娘の高校入学もだいぶさし迫ってまいりましたし、娘自身も入学金の心配をし始めましたような状況でございますので、ぜひお約束をお守りいただきたく、お手紙をさしあげる次第です。
お貸しする折にも、あの金子は娘の入学金だからと念を押して、お貸ししたはずでございますし、あなた様も必ず期日には返済できるからとおっしゃられ、ご信頼いたした次第です。入学手続きが3月5日でございますので、ぜひともこの手紙がつきしだい、ご返済くださるようお願いいたします。ご繁忙にとり紛れてご失念のことかとは存じますが、当方の事情をご賢察くださいまして、ご高配くださるようお願い申しあげます。
まずは取り急ぎ、お願い申しあげます。
敬具
「ご繁忙にとり紛れてご失念……」などと相手を思いやる気持ちも大事。 |