むかしむかし、あるところに、お風呂屋さんとお医者さんの家が、並んでたっていました。
很久很久以前,某个地方,有家澡堂和医院建在隔壁。
お風呂屋さんは毎日大勢の人が来るので、どんどんお金がたまります。
澡堂每天都有很多人来,渐渐得积攒了很多钱。
ところがお医者さんの家には、だれも治療を頼みに来ません。
可是,医院却没有人来治疗。
「うむ。風呂屋が儲かっているのは、もしかしたら大黒さまのせいかもしれない」そこでお医者さんは、夜中にお風呂屋さんへ忍び込むと、かざってある大黒さまを盗んで来たのです。
“恩。澡堂能赚钱说不定是因为有财神啊。”于是,医生半夜潜入澡堂,把摆着的财神偷了出来。
すると、さっそく、「病人が出たから、来てくれ」と、男が来ました。
然后,立刻就有个男子来了,说:“有病人要医治,跟我来吧。”
「やっぱり、客が来ていたのは、大黒さまのおかげだ」お医者さんは、大喜びで男と一緒に出かけて行きました。
“果然,客人会来还是因为托财神的福啊。”医生很高兴得跟着那个男子出了门。
ところがその男は強盗の一味で、お医者さんを人気のない所に連れ込むと、仲間の強盗と一緒に、お医者さんの薬箱から着物までを全部取っていったのです。
可是,那个男子却是强盗的同伙,把医生带到杳无人烟的地方,和强盗同伴一起,把医生的药箱甚至衣服都拿走了。
何とか命だけは助かったお医者さんは、裸のままで家に帰ってきました。
唯有性命没被取走的医生就这样光着身体回了家。
「ちくしょう!せっかく客が来たと思ったら、強盗だったなんて!」
“可恶!原以为好不容易有客人来了,居然还是强盗!”
考えれば考えるほど、くやしくてたまりません。
真是越想越不甘心了。
そこで腹を立てたお医者さんは、大黒さまをつかむなり、裏の竹やぶに放り投げました。
于是气极了的医生就抓着财神扔到后面的竹林里去了。
「お前なんか、何の役にも立ちやしない!」
“你这家伙真是一点用也没有啊!”
すると竹やぶの中から、大黒さまが言いました。「裸になるのは当たり前。わしはお風呂屋の大黒さまだ」
然后就听到竹林中传来了财神的声音:“当然会光着身体啦。我是澡堂里的财神啊。”