14 文語的表現
かたい表現
1 ~のみ・ならず 2級 接続 全品詞 意味 ならず:~だけでなく
ただ~のみ:~だけ
ただ~のみ 1級 ただ~のみならず:~だけでなく
ただ~のみ・ならず 注意! 「のみ」は「だけ」と同じ意味だか、「だけならす」と
はいわない
①父のみならず母までも私を信用してくれないとはどうしたことか。
②この計画は非現実的であるのみならず、莫大な費用がかかる。
③受験に際して学力の心配はないが、出席率カ揺いから、ただそれのみが気がかりだ。
④首都移転はただ東京都民のみならず、日本全国民にとって、重大な問題だ。
2 ~べからず 1級 接続注意 動詞(ル形) (「する」は「すへき」もある)
~べからざる 意味 べからず/べからざる:べきではない
~べく べく:ように/ために
注意! 例文1,2は 禁止の意味
①芝生に入るべからず。
②作品にさわるべからず。
③そんなことは言うべからざることだ。
④それは許すべからざる行為だ。
⑤遭難者を救出するべく、ヘリコプターが出動した。
⑥父に知らせるべく、手紙を書いた。
※平和解決など望むべくもない。
(=望むことができない)
3 ~まい 2級 接続注意! 基本的に動詞(ル形/一段動詞はマス形)
~まい・か 意味 するつもりはない/~ないだろう
~では・ある・まい・し 1級 接続 名詞
意味 ~ではないのだから 注意! 口語的表現
①あんな危険な所へは二度と行くまい。
②今度の旅行には田中さんは参加するまい。
③心配させたくないので事故のことを両親に話そうか話すまいかと迷っている。
④金さんはもう帰国してしまったのではあるまいか。
⑤君ではあるまいし、二日酔いするほど飲まないよ。
⑥子供ではあるまいし、馬鹿なことを言うものではない。
4A ~ごとき 1級 接続注意 名詞
意味 ~のような 注意! 蔑視の気持ちを含む/口語的
①あいつらごときチンピラに負けてたまるか。
(チンピラ:不良少年)
②二郎ごとき若造にこんな大切な仕事が任せられるか。
4B ~ごとき 1級 接続 名詞+「の」 意味 ような(様態/例示)
~ごとく 1級 接続 名詞+「の」/動詞(タ形) 意味 ように(様態/例示)
①彼はいきなり鬼のごとき形相で私に襲いかかってきた。
②環境の専門家が予想したごとく、自然破壊が深刻な問題になってきた。
③前述のごとく、本年度の貿易収支は大幅な黒字を計上するもようである。
5 ~たる 1級 接続 名詞 意味 (人)ならば当然
①議員たるものはもっと襟を正せ。
〔襟を正す:気持ちを引き締める〕
②学生たるものは勉学に励むべきだ。
6 ~に・あって 1級 接続 名詞 意味 ~で
①就職難の時代にあって、就職先を自分で捜すことは容易ではない。
②この使い捨ての世の中にあって、なお質素な生活を心がけている。
③クラス担任の立場にあっては、特定の生徒の世話ばかりしていてはならない。
7 ~に・足る 1級 接続注意! 動詞(ル形) 意味 十分~できる
①果たしてあいつが、信頼するに足る人間だろうか。
②この仕事が自分の一生をすべてかけるに足る仕事かどうか、よく考えてみろ。
8 ~の・至り 1級 接続 名詞+「の」 意味 とても~
①本日この席に出席できましたことは、誠に光栄の至りです。
②彼のアメリカでの体験談は何度聞いても痛快の至りだ。
9 ~まじき 1級 接続注意 動詞(ル形) 注意! よく使う表現
意味 「~にあるまじき…」は「~ならするべきではない…」
①カンニングするとは、学生にあるまじき行為だ。
②チームによって判定を変えるとは、中立であるべき審判にあるまじき態度だ。
10 ~を・もの・ともせず・に 1級 接続 名詞 意味 ~をまったく恐れずに
①(敵の)強烈なパンチをものともせずに、彼は敵に向かっていった。
②まだ一人残っていると聞くや否や、彼は危険をものともせずに、炎の中へ飛び込ん
でいった。
11 ~ん・が・ため(に) 接続注意! 動詞(ナイ形)/例外「する」は「せん(がため)」
~ん・が・ため・の 意味 ~ため
①彼は富と名声を得んがため、汚いこともずいぶんやってきた。
②両親は霧揚された息子を助けんがために、犯人の要求どおり5000万円を支払う
ことにした。
③彼は自分の罪を逃れんがための策略を練った。