あばたの語源・由来
あばたとは、天然痘が治った後、皮膚に残る小さなくぼみ。
あばたは、「かさぶた」を意味するサンスクリット語「arbuda(アルブタ)」の音写「あ浮陀(あぶだ)」が訛った語とされる。あぶだは「あぶだ地獄」とも言い、寒さによって苦しめる『八寒地獄』の地獄名のひとつで、ここに落ちた者は厳寒のため、体に水疱(すいほう)ができるとされた。そこから、天然痘が治った後、顔に残る傷のようなものを僧侶の間で「あばた」呼ぶようになり、一般にも広まった。1980年、WHOが天然痘の全滅宣言を出していることから、あばたも存在しないはずであるが、現在では意味が派生し、単なる吹き出物の傷跡なども「あばた」と呼ぶようになった。