飴の語源・由来
飴は、「あまい(甘い)」の「あま」が交替した語。
飴は古く中国から伝来したといわれ、『日本書紀』に飴が作られていたとの記述があることから、720年以前には存在していたことがわかる。
当時の飴は現在の水飴のようなもので、「阿米」という表記が見られることから、米が原料であったと推測される。
現代の飴には様々な着色がなされているが、水飴は透明、良質なものであれば半透明な黄褐色で、「飴色」はこのような水飴の色をいう。
古くから珍重されていた飴は、菓子としてだけではなく調味料や滋養食品としても用いられ、神仏への供え物にもされていた。
飴が一般に食べられるようになり、様々な種類の飴が売られるようになるのは近世以降のことで、飴細工も江戸時代以降に作られ始めたものである。
漢字「飴」の「台」は人工を加えて調整するという音符で、「飴」は穀物を人工的に柔らかくし、甘くした食品を表した文字である。
関西では大人でも「飴ちゃん」と接尾語を伴なった呼び方をすることが多く、やくざが「飴ちゃん食うか?」と言ってきた時には、ふざけているのかと思うほどである。
関西で「飴ちゃん」と言う理由は、「雨」と区別するためと言われることもあるが、飴以外でも「お芋さん」や「お粥さん(おかいさん)」など食べ物に接尾語「さん」を付けて言い、「おはようさん」や「ありがとさん」など一般の言葉にも接尾語の「さん」を付けていることから、その流れと考えられる。
ただし、飴以外は「さん」が加えられており、「ちゃん」が付くのは「飴ちゃん」くらいである。
「豆」に対しては「お豆さん」なので、小さいものだから「ちゃん」という訳でもなく、おかずとして出される食品より身近な菓子であること、更に関西の人は飴の携帯率が高く、菓子の中でも飴がより身近な物であることから、飴だけが「ちゃん」付けされ、「飴ちゃん」と呼ばれるようになったのではないかと思われる。