稲の語源・由来
稲とは、イネ科の一年草。東南アジア原産。実は米として広く主食とされる。
稲の語源は以下の通り諸説あり、「食糧」「生命」「寝具」「原産地」のどれに重きを置くかによって見解が異なる。稲は食糧として重要なものであることから、「いひね(飯根・飯米)」の意味とする説。稲は食糧のほか藁を加工して多くのものが作られ、日本人の生活と切っても切れない関係にあることから、「いのちね(命根)」「いきね(生根)」「いきね(息根)」の約など「生命」と結びつける説。稲の藁は布団や畳などに加工され、古代人は藁を敷いて寝ていたことや、正月の忌み言葉として「寝ね(いね)」と掛けた「稲挙ぐ」「稲積む」という言葉があることから、「いね(寝ぬ)」の連用形が名詞化された説。稲は原産地の言葉に基づくもので、ジャワのスンダ語「binih」、セレベス島のバレエ語「wini」などと同源とする説。漢字の「稲」は、漢音で「ドウ・ダウ」、呉音で「ダオ」と発音し、音読みの「トウ(タウ)」には繋がるが、「いね」の語源とは関係ない。なお、「稲」の「旧」の部分は本来「臼」の字で、右側部分は臼の中でこねることを表している。