楓の語源・由来
楓とは、カエデ科カエデ属の落葉高木の総称。
楓は、葉の形がカエルに似ていることから、古くは「蛙手(かへるて)」と呼ばれ、「かへんで」や「かへで」となり、「かえで」となった。『万葉集』には、蛙の意味で「蝦」の文字を用い「蝦手(かへるて)」と表記された例も見られ、漢字の「楓」は「かつら」と読ませており、別の植物をさしていた。漢字の「楓」は、平安中期頃から「かへで」と読まれるようになったが、元々「楓」は中国原産のマンサク科の落葉高木「ふう」を表す字で、「かえで」や「かつら」とは別品種である。また、楓は秋に美しく紅葉し、紅葉を代表とする植物とされているため、「紅葉(もみじ)」を「楓(かえで)」と言ったり、「楓(かえで)」を「紅葉(もみじ)」と言うこともあるが、元々「もみじ」は動詞「もみつ」が変化した語なので、かえでだけをさすものではなく、植物の名称でもない。