鏡餅の語源・由来
鏡餅とは、丸く平らに作った餅。正月や祝い事のとき、神仏に供える。お供え。おかがみ。
鏡餅は、丸く平らで鏡の形に似ていることからこの名がついた。現代の鏡は四角いものが多いが、古くは円形で祭具として用いられ、特別な霊力を持つものと考えられていた。現在でも神社の御神体として、円形の鏡が祭られている。室町時代、武家では正月に鎧や兜の前に鏡餅を供えたことから、鎧や兜を意味する「具足(ぐそく)」の餅で「具足餅(ぐそくもち)」と呼ばれた。なお、具足の前に鏡餅を供えたのは男子で、女子は鏡台の前に供えていた。新年を迎える際に鏡餅を飾る風習は、紀元前の垂仁天皇の時代、大物主神の娘である大田田根子に、大国主命が「元日、荒魂の大神に紅白の餅を祭れば幸福が訪れる」と教えたことに由来するといわれる。ただし、垂仁天皇の時代の話は全般に忠実性に欠けると見られており、鏡餅の風習についても断定されるものではない。