米の語源・由来
米の語源は、「こめる(籠める)」の連用形が名詞化したとする説が有力となっている。
古く、米は「ヨネ」の使用例が多く、「コメ」の語は使用例が少ない。
「コメ」の語が多く用いられたのは改まった儀式の場であったことから、米には神聖なものや生命力のようなものが宿っており、「籠められたもの」の意味で「コメ」になったといった解釈もある。
平安中期以降、「ヨネ」は古語として扱われるようになり、「コメ」が多用されるようになった。
「こめる(籠める)」に次いで、米の語源で有力とされている説は、酒の醸造を意味する朝鮮語「コメン(コム)」の変形とする説である。
酒の醸造法は朝鮮から伝来したといわれ、「醸す(かもす)」も「カム」「コム」と繋がりがある。
ベトナム語の「コム」やタミル語の「クンマイ」なども、米の語源と考えられており、アジアをひとつの国と考えれば当然の繋がりとも考えられるし、発音の似た言葉で確実に語源が異なる言葉も多くあるため、偶然の一致とも考えられる。
その他、「小実(コミ)」や「小目(コメ)」が転じたとする説もあるが、上代特殊仮名遣いにおいて「米」の「コ」と「小」の「コ」では仮名遣い異なるため、有力とされていない。