昔の語源・由来
昔とは、時間的に現在から過去にさかのぼった一時期・一時点。多くは、遠い過去を指していう。
昔は現在と対立し、現在から向かって過ぎ去った時を表すことから、「むかう(向かう)」の「むか」と同源であろう。むかしの「し」は、「方向」を表す「し」とする説や、「むかしへ」の下略で、「いにしえ(いにしへ)」と同様に「し」が助動詞、「へ」が方向の意味とする説がある。古く、物語の語りだしには「今は昔」の形で、現在のことではないという断りや、古くからの伝承であることを示すために用いられた。漢字の「昔」は、「日」に「敷き重ねるしるし」で、時日を重ねたことを表している。