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2004年8月08日の「天声人語」

作者:clear 文章来源:贯通论坛 点击数 更新时间:2004-8-15 8:12:00 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

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虫にしては、「文」というありがたい文字を名前にいただいて一見厚遇されているかのような蚊だが、虫偏につく「文」は単に羽音のブーンを表すらしい。古今、蚊の愛好家というのはあまり見あたらず、嫌われ者の代表のような虫である。

蚊子虽然是虫,却有“文”这样一个难得的字在名字里,看起来真是受到了厚待。不过虫旁加个“文”字只是单单表示翅膀声音的“嗡~”吧。自古以来,就基本上没见过有蚊子的爱好者。它是典型的被讨厌的东西。

眠くなって横になったが、蚊が顔のまわりを飛びまわる。「いとにくけれ」と清少納言も邪険に言い放った。蚊遣(かや)りといって煙で撃退するか、蚊帳をつって侵入を防ぐか。古来の知恵である。〈川風や灯火消えて蚊屋の月〉(幸田露伴)。蚊帳には独特の風情もあった。

困了躺下来,蚊子却在脸旁飞来飞去。清少纳言也冷酷地说道:“实在是太可恶了”。古时候人们就懂得用烟驱蚊或者挂上蚊帐防止蚊虫进入。“河风中灯火消失,蚊帐外月亮相伴。”(幸田露伴)蚊帐也别具风情。

うっとうしいだけでなく、蚊はいろいろな病気のもとを運ぶことがわかってきた。北米で流行している西ナイル熱もそうだが、犠牲者が最も多いのがハマダラカが媒介するマラリアである。アフリカを中心に、世界で年間3億人を超える患者が出て、毎年100万人以上が死んでいる。

现在大家已经知道,蚊子不仅烦人,而且还会带来各种各样的疾病。正在北美流行的西尼罗热就是一例,但死亡人数最多的一次是由ハマダラカ传播的マラリア(病毒)。以美国为中心,全球的患者人数超过3亿,每年死亡人数达到100万人以上。

日本ではあまり目にしなくなった蚊帳が予防に貢献している。たとえば、今年創立25周年の「難民を助ける会」は、ザンビアのアンゴラ難民にこれまで1万張の蚊帳を配布した。夜行性のハマダラカから身を守るのに役立てている。

在日本几乎看不到的蚊帐正在为预防作出贡献。比如今年创立25周年的“难民救助会”,到目前为止给赞比亚的安哥拉难民分发了1万床蚊帐。保护人们不受夜行性ハマダラカ的攻击。

難民家族からはこんな声が寄せられた。「生後3カ月から蚊帳を使い始めた2歳の子は2回しかマラリアにかかっていない。生まれたときから蚊帳の下で寝ている下の子は一度もかかっていない」。「助ける会」の日本人スタッフもこれまで2人がマラリアで亡くなった。

从难民家族传来这样的声音:“出生3个月后开始使用蚊帐的2岁孩子只有两个感染了マラリア,而一出生就睡在蚊帐下的更小的孩子,一次都没感染。迄今为止,已有两位救助会的日本工作人员死于マラリア。

〈血を分けし身とは思はず蚊の憎さ〉(丈草)。虫偏に「去」と改称して退場を促そうか。

改成虫旁加个“去”字,快快让它消失吧。

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