米Cisco Systemsは,キャリア向けルーター・システム「Cisco Carrier Routing System(CRS-1)」が最大の容量を持つインターネット・ルーターとしてギネス世界記録に認定されたことを米国時間7月1日に発表した。
同社によれば,CRS-1は最高で92テラのトータル・スループットを実現し,それ以前の製品よりも最大で100倍の性能を発揮できる設計になっている。CRS-1は,ギネス世界記録に認定された初のネットワーク技術となる。
CRS-1は,同年5月に発表された製品。同社によれば,ビデオ・オンデマンド,オンライン・ゲーム,リアルタイムのインタラクティブ・サービスといった大規模で帯域幅を必要とするネットワークに適している。
1秒間に92テラビットのルーティング・スループットを実現するCRS-1は,米国会議事堂図書館の所蔵図書すべてを4.6秒でダウンロードできる。同量のデータは,56Kビット/秒のダイヤルアップ・モデルを利用すれば82年かかるという。その他にも,次のようなアプリケーションが可能となる。
・10億人が同時にリアルタイムの音声とチャットを使いながら,オンライン・ゲームをプレイ
・米国の全世帯(1億548万101世帯)に872Kビット/秒のブロードバンド接続を提供
・1500万人が同時に,ユーザー1人当たり6Mビット/秒のオンデマンドのビデオを視聴
・アリゾナ州の人口に相当する130万人が,同時に4Mバイトの楽曲を即座にダウンロード
・およそ1万2415人が7.4Gバイトの映画を1秒で同時にダウンロード
・世界全体の人口に相当する64億人が,VoIP技術を使って同時に通話
現在Cisco CRS-1は,世界各地の通信事業者やサービス・プロバイダが実地試験を行っている。2004年7月に利用可能とする予定。価格は45万ドルから。 |