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外来語の表記

作者:菊池真一 文章来源:日本ネット 点击数 更新时间:2004-12-20 8:54:00 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语



 前書きの4で過去に行われた表記のことについて述べたが,例えば,明冶以来の
文芸作品等においては,下記のような仮名表記も行われている。
  ヰ:スヰフ卜の「ガリワ゛旅行記」
  ヱ:ヱルテル
  ヲ:ヲルポール
  ワ゛:ワ゛イオリン
  ヰ゛:ヰ゛オロン
  ヱ゛:ヱ゛ルレエヌ
  ヲ゛:ヲ゛ルガ
  ヂ:ケンプリッヂ
  ヅ:ワーヅワース


内閣訓令第1号

                              各行政機関

   『外来語の表記』の実施について

 政府は,本日,内閣告示第2号をもって,『外来語の表記』を告示した。
 今後,各行政機関においては,これを現代の国語を書き表すための「外来語の
表記」のよりどころとするものとする。

   平成3年6月28日
                       内閣総理大臣 海部 俊樹

 


以上の内閣告示は、平成3年2月7日の国語審議会から答申された
「外来語の表記」に基づくものである。
以下に、その答申の前文を掲げる。


国語審議会答申「外来語の表記」前文

〔はじめに〕

 国語審議会は,昭和41年6月以来,文部大臣の諮問に応じ,
「国語施策の改善の具体策について」の審議を行っている。
これまでに,「当用漢字改定音訓表」と「改定送り仮名の付け方」
(昭和47年6月),「常用漢字表」(昭和56年3月),「改定現代
仮名遣い」(昭和61年3月)を答申し,これらは,いずれも内閣告
示・内閣訓令によって実施された。引き続き,国語審議会は,昭和
62年1月以降,「外来語の表記」の問題について審議を進め,この
たび,この『外来語の表記』を作成した。

〔『外来語の表記』の作成の経緯〕

 国語審議会は,昭和62年1月の総会で,昭和41年の諮問にお
いて検討すべき問題点として示された事項のうち,「現代かなづか
い」に関連する事項としての「外来語の表記」の問題を取り上げて
審議することとした。以来,総会をはじめ,外来語表記委員会,小
委員会など,合計86回の会議を開いて検討を行い,平成2年3月に
は外来語表記委員会の試案を公表して広く各方面の意見を聞くなど,
4年にわたり慎重な審議を重ねた。
 審議に当たっては,昭和29年の国語審議会部会報告「外来語の表
記について」をはじめ,外来語や外国の地名・人名の書き方に関す
る明治以来の諸案,日本新聞協会や日本放送協会等で定めている現
行の諸基準を参考にするとともに,現代の小型国語辞典に採録され
ている外来語や,官報,省庁の白書,教科書等に出現する外来語及
ぴ外国の地名・人名の表記の実態を把握することに努めた。また,
各界・各方面から寄せられた要望や意見等も参照した。
 その結果,以下に述べるような認識と方針の下に,この『外来語
の表記』を作成するに至った。

〔「外来語の表記」についての考え方〕

1外来語について

 外国語から国語に取り入れた語を外来語と言う。漢語の多くは古く
中国語から取り入れたものであるが,慣用として外来語の中には含め
ない。我が国は室町末期以降,ポルトガル語,オランダ語から,江戸
末期以降は,英語,ドイツ梧,フランス語その他の欧米諸言語から多
くの語を取り入れた。そこで,外来語と言えば主としてこれら欧米系
の諸言語に由来するものを指すことが多い。外来語を「洋語」と呼ぷ
ことがあるのもこのためである。現代では,その中でも英米語系の外
来語の占める割合が非常に大きいが,「シューマイ」「マージャン」
「オンドル」「キセル」など近隣の東洋諸言語に由来する外来語もある。
 外来語は,元の外国語から国語に取り入れられるとき,国語の構造
に合わせて,発音や語形,意味用法に変化が生じ,国語化するのが普
通である。この国語化の程度によって,外来語をおよそ次のように分
けることができる。
(1)国語に取り入れた時代が古く,国語に融合しきっていて,外国
語に由来する感じが余り残っていないもの。例えば,「たばこ,煙草」
「てんぷら,天麩羅」「じゅばん,襦袢」など。この類は,平仮名や
漢字で書かれることも多く,語形についても,書き表し方についても,
十分に国語化している。
(2)既に国語として熟しているが,なお外国語に由来するという感
じが残っているもの。例えば,「ラジオ」「ナイフ」「スタート」など。
この類は,語形のゆれが比較的少なく,比較的よく国語化した語形に
基づいて,片仮名で書き表す。
(3)外国語の感じが多分に残っているもの。例えば,「ジレンマ」
「フィクション」「工卜ランゼ」など。この類は,語形にゆれがある
ものが多く見られる。外国語の原形に対する顧慮から語形を正そうと
する力が働きやすく,「ジレンマ」に対して「ディレンマ」,「エト
ランゼ」に対して「エ卜ランジェ」のようなゆれが生じる。現代の和
語や漢語にない音が用いられることもある。
 一方,国語の文章や談話の中に外国語の語句がそのまま取り入れら
れ使用されることもある。このようなものは,外国語と呼んで,外来
語とは区別すべきものであり,また,今回取り上げる直接の対象には
含めないでよいと考えた。ただし,この種の外国語と,上記(3)の
類の外来語との境界は,必ずしも判然としたものではない。
 なお,「ニューヨーク」「ローマ」などの地名や「コロンブス」
「ゲーテ」などの人名は,固有名詞という点で一般の外来語と区別さ
れるものであるが,その国語への取り入れ方については一般の外来語
と共通する面もあるので,今回の「外来語の表記」の審議においては,
このような地名・人名も対象に含めることとした。一方,中国・韓国
等の地名・人名は,我が国の文章の中で漢字で書かれることが長い習
慣であった。それぞれの国の原音に基づく片仮名表記も行われている
が,この問題は,今後の課題とし,今回の審議においては直接の対象
とはしなかった。(ただし,今回示すものは「シャンハイ」「ソウル」
等の表記には及ぼし得るものである。)また,PTA,CM,kgなど,
国語の中で用いられるアルファベット表記については,問題の外に置
くこととした。

2 外来語を片仮名で書く習慣について

 現代の外来語は片仮名で書き表すのが一般的であるが,外来語表記
の歴史を見ると,この傾向はそれほど古いものではない。欧米系の外
来語が流入し始めた室町末期から江戸初期の国語の文献では,外国語
や外来語の表記は,漢字であったり,平仮名であったり,時には片仮
名であったりして,一定していなかった。外来語を漢字で書くことは
明治以後も続き,語によっては戦後まで残った。
 漢字平仮名交じり文の中に外国語・外来語を片仮名で書くことを組
織的に行った例は新井白石の著述(「西洋紀聞」―18世紀初め)に
見られる。蘭学の文献ではこれを受け継ぎ,明治期の外来語急増に伴っ
て,外来語を片仮名で書く習慣が確立した。(国定読本においては,
明治43年から使用した第2期国定読本以後,片仮名書きが大勢となっ
た。)その後,大正から昭和にかけて,新しい外来語が増加し,戦後
の外来語急増期に外来語の片仮名表記が決定的となった。

3 外来語の音と仮名表記

 国語の音は,「ア」「イ」「ウ」「工」「オ」「キャ」「キュ」
「キョ」「ジャ」「ジュ」「ジョ」などの仮名に対応する音を基本単
位とする。その種類は,現代のいわゆる和語と漢語については,直音,
拗音合わせて100,これに撥音,促音,長音が加わる。
 外国語が外来語として国語化するについても,基本的にはこれらの
音が用いられているが,さらに,外国語の原音に応じて,現代の和語
や漢語にはない音が外来音として国語の中に取り入れられ,それに当
たる特別の仮名表記が工夫されてきた。例えば,「フィルム」の「フィ」,
「メロディー」の「ディ」のようなものである。また,長音については,
和語や漢語の場合と異なり,長音符号「ー」を用いることがほぼ定着
している。
 このような,外来語の仮名表記については,従来,各方面で論議され,
いろいろな取決めが立案され実施されてきた。しかし,それらは必ず
しも一致したものではなく,また,それらの取決めに合わない書き方
も行われている。そこで,今回,改めて現代にふさわしいその在り方
を考えたものである。
 「外来語の表記」を検討するに当たっては,仮名を音との対応にお
いて用いるという考え方に立つとともに,慣用を尊重することを基本
的な方針とした。そして,どのようなものが外来音として国語の中に
取り入れられているかを実例に即して検討した結果,在来の国語の音
のほかに,(1)言い分け聞き分けの上で余り無理がなく,外来音と
して国語の中に入っていると考えられるものに対応する仮名,(2)
言い分け聞き分けの上では十分安定していないが,外来音としてある
程度国語の中に入っていると考えられるものに対応する仮名を取り上
げることにした。
 現実には,様々な状況に応じて,これら以外の音を仮名で書き表す
ことが必要になる場合もあるが,それについては取決めを行わず,自
由とすることにした。

〔『外来語の表記』の性格,構成及び内容〕

 この『外来語の表記』の性格,構成及び内容は,次のとおりである。
 なお,昭和29年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」は,
従来各方面で参考にされてきたので,「内容」の項では便宜それとの
比較を記した。

1性格

(1)この『外来語の表記』は,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送な
ど,一般の社会生活において,現代の国語を書き表すための「外来語の
表記」のよりどころを示すものである。
(2)この『外来語の表記』は,科学,技術,芸術その他の各種専門分
野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
(3)この『外来語の表記』は,現代の国語を書き表すものであって,
過去に行われた様々な表記(注参照)を否定しようとするものではない。
また,固有名詞など(例えば人名,会社名,商品名等)でこれによりが
たいものには及ぽさない。
  (注)例えば,明治以来の文芸作品等においては,下記のような仮
名表記も行われている。
   ヰ:スヰフトの「ガリワ゛ー旅行記」 ヱ:ヱルテル ヲ:ヲルポール
   ワ゛:ワ゛イオリン ヰ゛:ヰ゛オロン ヱ゛:ヱ゛ルレエヌ
   ヲ゛:ヲ゛ルガ ヂ:ケンブリッヂ ヅ:ワーヅワース

2 構成

(1)この『外来語の表記』は,「本文」と「付録」とから成る。
(2)本文には,「外来語の表記」に用いる仮名と符号の表を掲げ,こ
れに留意事項として,原則的なものと細則的なものを添えた。
(3)付録には,用例集として,日常よく用いられる外来語を主に,留
意事項の細則的なものに例示した語や,その他の地名・人名の例などを
併せ掲げた。

3 内容(昭和29年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」との比較)

(1)この『外来語の表記』は,外来語や外国の地名・人名を書き表す
  場合の仮名の用い方を示したものである。
  (注)昭和29年の報告では,外国の地名・人名の書き方については,
  別に考慮するとして,対象に含めなかった。
(2)「シェ,ジェ」「ティ,ディ」「ファ,フィ,フェ,フォ」「デュ」
  の仮名は,外来語や外国の地名・人名を書き表すのに一般的に用いるも
  のとした。(ただし,従来「セ,ゼ」「チ,ジ」「ハ,ヒ,へ,ホ」「ジュ」
  と書く慣用のある場合は,それによる。)
  (注)昭和29年の報告では,「シェ,ジェ」「ティ,ヂィ」「ファ,
    フィ,フェ,フォ」はなるべく「セ,ゼ」「チ,ジ」「ハ,ヒ,へ,ホ」
    と書き,「ヂュ」は「ジュ」と書くとしていた。
(3)「ウィ,ウェ,ウォ」「クァ,クィ,クェ,クォ」「ヴァ,ヴィ,
  ヴ,ヴェ,ヴォ」や「トゥ,ドゥ」「テュ」「フュ」「ヴュ」等の仮名は,
  外来語や外国の地名・人名を原音や原つづりになるべく近く書き表そうと
  する場合に用いるものとした。
  (注)昭和29年の報告では,「ウィ,ウェ,ウォ」「クァ,クィ,クェ,
    クォ」「ヴァ,ヴィ,ヴ,ヴェ,ヴォ」はなるべく「ウイ,ウエ,ウオ」
   「カ,クイ,クエ,コ」「バ,ビ,ブ,べ,ボ」と書き,「トゥ,ドゥ」
   「テュ」「フュ」「ヴュ」は「卜,ド又は ツ,ズ」「チュ」「ヒュ」
   「ビュ」と書くとしていた。

〔その他〕

1 学校教育

 この『外来語の表記』は,性格の項で述べたとおり,現代の一般の社会
生活における「外来語の表記」のよりどころを示したものである。学校教
育においては,この趣旨を考慮して週切な取扱いをすることが望ましい。

2 外来語,外国語のいわゆる氾濫の問題について

 この問題は直接表記に結ぴつくものではないが,関連する問題として総
会を中心に論議をした。必要以上に外国語を使うことは望ましいことでは
ないという意見とともに,必ず自然に淘汰され,必要なものだけが定着し
ていくだろうという意見があった。

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