拝啓 惜春の候 貴社ますますご隆盛のこととお喜び申しあげます。平素は格別のご高配を賜わり、厚くお礼申しあげます。
さて、突然ですが、小社は創業以来50年の間、家具メーカーとして歩んでまいりましたが、このたび不本意ながら廃業することになりました。外国家具の輸入の増加、各大手メーカーの機械化競争、当社製品のおもな材質でございました檜の不足など、諸々の悪条件が重なってしまいました。長い間、当社の製品をお取り扱いいただきました業界各位、関係皆様には、誠に申しわけなく存じております。皆様に支えられ、今日に至るまで営業できましたことを、心より感謝いたしております。
本来ならば早速参上し、ごあいさつを申しあげるべきところですが、雑務に追われておりますので、略儀ながら書面にて、廃業のごあいさつを申しあげます。
敬具
廃業に至る経過を述べ、長い間のご愛顧に感謝する。またどこで世話になるかわからないので、ていねいに。 |